こんにちは!行政書士の越阪部です。
今回は、少しドキッとするタイトルですが、
「創業期の倒産」というテーマをお伝えしていきます。

皆さんも一度は聞いたことがあるのではと思うのですが、

創業者の3割は1年以内に廃業し、5割は3年以内に廃業、10年後まで生き残っている会社は1割程度

とよく言われています。

今回は、なぜ創業期の会社の多くは倒産してしまうのか
そして、倒産を防ぐにはどうしたら良いのかについてお話させて頂きます

会社が倒産してしまう理由

改めて、そもそも会社はどういうときに倒産するかを考えてみます。
会社が倒産するときは、「キャッシュが尽きた時」です。

それ以外には潰れる理由はありません。
赤字も債務超過も、倒産の直接の理由にはなりません。

事業が軌道に乗る前に手元のキャッシュが無くなってしまい、
取引先への支払いや銀行への返済等、債務の弁済ができなくなったときに初めて会社は潰れます。
たとえどんなに黒字であっても、毎月手元のキャッシュが減っていけば倒産します。

このように、手元のキャッシュが残っているかどうかが
企業存続の一番の生命線となります。

このことを踏まえて、創業期の会社が陥りやすい2パターンについて考えていきます。

創業期の会社に多い2パターン

①売上が思ったほど伸びず資金繰りに詰まったパターン

創業後しばらくして何とか黒字基調になり、
「軌道に乗ってきたかも・・・」というところで、
資金が尽きて倒産するパターンです。

売上は何とか右肩上がりになっているものの、
当初の計画ほどの勢いがなく資金が枯渇していき、ついにはショートしてしまう例ですね。

軌道に乗りかけており、
「あと1年続ければ・・!」というところで資金ショートしてしまい
撤退を余儀なくされることも少なくありません。

②急に売上拡大し資金繰りに詰まったパターン

もう1つは、創業期に急に売上が拡大したパターンです。
「売上が増えたんならいいんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、違います。

売上が増えると、
その分仕入れ代や外注費、棚卸資産(在庫)も増えます。

仕入債務や棚卸資産は、売上の入金よりも前に支払わなくてはいけないので、
一次的にキャッシュが減少することになります。

急な売上増加が続くと、出ていくお金が急に増えてしまい、
気が付けば資金ショートということも少なくありません。

その際に銀行からつなぎ資金の借入ができれば良いですが、
創業後数年経った会社の場合、思うように借入ができないことも多々あります。

どうすれば潰れずに済むのか

では、潰れないためにはどうすれば良いのかというと、
「創業融資で潤沢に借りておく」ということです。

創業融資は、通常の融資と違って、創業期の会社であっても比較的借入がしやすいです。

通常は決算書の数字を基に融資審査が行われますが、
創業期の場合、数字(決算書)で判断しようがないので、
これまでの経歴や自己資金、事業計画書といった内容をアピールしてお金を借りることができます。

そのため、創業期に潤沢にお金を借りておいて、
しばらく軌道に乗らなくても困らないよう、
現預金を厚く持っておくのが倒産を回避する方法になります。

特に設備投資などが不要な職種では、
ついつい自己資金だけで事業を始めがちですが、
いざ事業を始めると思うようにいかないこともしばしば。

後になって「資金が足りないから融資を受けたい」と
金融機関に駆け寄っても、その時にはこれまでの実績をもとに審査されてしまい、
融資が受けたくてももう遅い・・・ということもよくある話です。

そうならないよう、創業時に公庫や制度融資を利用して
潤沢なキャッシュを蓄えておくことで、倒産のリスクを抑えることができます。

資金調達力を高めるコツ

創業時に潤沢に資金を調達するために、
日本政策金融公庫の融資と自治体の制度融資どちらも受けておくのがオススメです。

多くの方は自己資金だけで事業を始めるか、
融資を受けるとしても公庫の創業融資だけを受けて事業を始めています。

これだと、創業1~2年後にいざ資金が枯渇したときに
頼れる場所が無くなってしまいます。

公庫もおおよそ半分くらい返済しない限り、追加の融資には応じてくれません。
そのため、仮に運転資金を5年で借りていたとすると、
2年半経って半分くらい返済してからでないと、なかなか追加融資が難しいのが現状です。

そこで、創業時に公庫だけでなく制度融資を活用して
民間の金融機関(地銀・信金)から融資を受けておけば、
創業融資で多くのキャッシュを確保することができます。

また、中長期的な会社の発展を考える上でも、
地域の地銀・信金とパイプを持っておくことは非常に大事ですね。

まとめ

いかがだったでしょうか。
今回は、創業期の会社の倒産について紹介させて頂きました。

事業の継続の為には、手元のキャッシュを厚く持っておくことが重要です。
ぜひ創業融資を活用して、リスクに強い経営をするようにしてください。

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