銀行から好かれる社長・嫌われる社長

こんにちは！
行政書士のオサカベです。

最近、現役～退職1年後の金融機関の担当者5名とお話する機会があり、
せっかくだと思い、いくつか同じ質問をぶつけてみました。

今回は、その中の質問の1つ、「好かれる社長・嫌われる社長」についての答えが興味深かったので、紹介させて頂ければと思います。

好かれる社長

金融機関の営業担当者5人に「好かれる社長」について質問したところ、
なんと5人中4人が同じ答えを言いました。

答えは、「誠実に依頼に応じてくれるか」だそうです。
具体的には、

といったことですね。

融資審査に当たっては、金融機関の担当者が稟議書を書きます。
稟議書とは、融資を実行するかどうかを判断する上で、金融機関内部の関係者で回していく書類のことです。

一般的に、営業（渉外）担当者→営業課長→融資担当者→融資課長→本店審査部という流れで稟議書が回っていきます。全員のハンコが揃えば無事に稟議が通って融資が実行されます。

営業担当者の気持ちになって考えてみてください。
担当者は、融資先数や金額について、日々ノルマに追われています。

ノルマクリアしないと自分の査定が下がるという厳しい世界に生きているので、
担当者としては、できるかぎり融資は通したいのです。

融資を通すためには、担当者がクオリティの高い稟議書を書いて、
社内（特に融資課）を納得させなければいけません。

このときに、難しい案件であればあるほど担当者の力量が問われます。
説得力のある稟議書を作らなければ行内の稟議で否決されてしまうからです。

このような背景があって、社長に追加情報や資料を求めてきているのです。

このときに、社長が嫌な顔をしたりめんどくさそうな態度を取ったり、
すぐに依頼に応じてくれなかったりするとどうなるでしょうか？

担当からすると、「せっかくアンタのために頑張っているのに・・！」という気持ちになりますよね。

逆に、誠実に依頼に応じてくれる社長は、
「この人の為に頑張ろう！」と思ってもらうことができますね。

逆に嫌われる社長について質問したところ
色々と意見が出ましたが、5人中3人が共通していた回答がありました。

それは、「高圧的でない」ということです。

高圧的な社長は、担当が応援する気をなくします。
担当者が応援する気をなくせば、その分稟議書のクオリティも下がります。

銀行員の担当も高圧的な社長とは極力話したくないです。
稟議書を仕上げる上で、追加で社長にお願いしたいことがあっても、
「あの社長に話してもどうせ怒られるのがオチだし・・・」とためらってしまい、
その結果中途半端な稟議書で行内に回してしまいます。

銀行員に気に入られようと思って下手に出る必要は決してありませんが、
高圧的な態度をとっても会社にとって一つも得はないです。

あくまでも双方対等な立場で、互いに協力しあえるような間柄を作ることができれば、
特に地域密着の金融機関の場合はそれだけで資金調達もしやすくなります。

「社長の人柄は融資に影響があるのか？」という質問もしてみました。

面白いことに、5人中4人が「大いに影響ある」との回答で、
1人は「影響ないわけではないが、あくまでも数字や実績重視」とのことでした。

ちなみにその1人は第一地銀の方だったので、金融機関の規模にもよるかと思います。
今回の質問でも、信用金庫や信用組合、第二地銀といった地域密着型の金融機関の方は「大いに影響がある」とのことです。

金融機関によっては、融資稟議書に「この社長は誠実な方なので真摯に対応してくれる」といったように、社長の性格を稟議書に書くというところもありました。

総じて、社長の人柄というのは、融資審査にも影響があるという回答が多く、
特に地域密着型の金融機関であればあるほど、その重要性は高い傾向のようです。

融資審査において、担当者を味方に付けられるかどうかについては、
融資可否を左右する大きな要素になります。

早い話、担当者が「何としてもこの会社は応援したい」と思ってくれれば、
良い稟議書を書こうと頑張ってくれます。（某ドラマみたいですね。）

金融機関によっては、担当者の意見が尊重されるというところも少なくないです。
特に、支店決済の範囲額であれば、できるだけ担当者の判断を尊重しようとするスタンスの金融機関もあります。

担当者に「この会社を応援したい」と思わせて味方について貰えれば、
多少業況が厳しくても融資が受けられる可能性は大いにあります。

今回は、金融機関の担当者に聞いた「好かれる社長・嫌われる社長」について紹介させて頂きました。

御社と金融機関との関係性はいかがでしょうか。
ぜひ、「応援したい」と思われるような社長となって、資金調達力を高めてください。

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