こんにちは!
行政書士のオサカベです。
今回は、コロナ融資が返せない方があきらめる前にやるべきことというテーマについて紹介させて頂きます。
コロナ融資が返せない・・・
2020年にコロナ融資が始まり、業績の悪い事業者でもスピード重視で借入ができました。
コロナ融資の据置期間は最大5年ですが、2~3年で設定していた事業者は、今になって返済が始まり資金繰りに困っている声も多く聞きます。
そんな中、「コロナ融資 返せない」と検索すると、弁護士事務所のホームページが沢山出てきます。
「破産」や「民事再生」といった手法を紹介するページが多く、「コロナ融資に困ったら弁護士に相談してください」という案内があります。
しかし、弁護士に相談する前に、やるべきことはたくさんあります。
融資が返せないくらいで、簡単に諦めてしまってはいけません。
まずはできる限り金融機関に交渉を行いましょう。
ここからは、金融機関の交渉手段としてどんな手があるかについて紹介していきます。
借換
借換(かりかえ)とは、新しく融資を受けてそのお金で既存の融資を返済することです。
元金返済が到来してしまった融資については、借換をして新しい借入れに切り替えることで、再度の据置期間を設けることが可能です。
借換には、既往債務よりも多い額の融資で借り換える「増額借換」や、コロナ融資の場合は既往債務と同額で借り換える「同額借換」があります。
同額借換は、借入額はそのままで据置期間を再度設けているので、
実質的には後述するリスケジュールと変わりありません。
しかし、同額借換かリスケジュールかは、かなり大きな違いとなります。
一度リスケジュールをしてしまうと、銀行格付けが下がります。
銀行格付けが下がると、新規融資が原則としてできなくなります。
そのため、リスケジュールをするよりも、借換で済ませた方遥かに良いのです。
また、金融機関からしても、融資先の格付けが下がるとその分貸倒引当金を積まないといけないので(≒金融機関の財務指標が悪化するので)リスケジュールは避けたいのが本音です。
以上のことから、リスケジュールを考えるなら、まずは借換を交渉してみてください。
今(2022年12月現在)ならまだコロナ関連の融資制度が残っているので、それらの制度を使って既存融資の借換をすることも可能です。
なお、公庫のコロナ融資(新型コロナウイルス感染症特別貸付)は2023年3月31日に終了する見込みですので、同制度を使った借換をするなら、この期間までに交渉をお願いします。
コロナ融資の制度が終わってしまうと、簡単に借換することも難しくなりますので、今のうちに借換を打診するのがオススメです。
民間のゼロゼロ融資の借換は、
- セーフティネット保証
- 伴走支援型特別保証制度
- 各自治体の制度融資
を使って借り換えることになります。
なお、2023年4月から、伴走支援型特別保証制度に似た借換の制度が出るようです。
「ゼロゼロ融資」借り換え、保証限度は1億円 経産省案: 日本経済新聞 (nikkei.com)
リスケジュール
借換が断られてしまったら、リスケジュールを交渉しましょう。
リスケジュールとは、金融機関と交渉して融資の返済条件を変更することをいいます。
例えば、リスケジュールによって1年間の元金返済を遅らせることができれば、
1年間の資金繰りには余裕ができるので、その間に経営改善に取り組むことができます。
リスケジュールをする際には、経営改善計画書を作って金融機関に提出する必要がありますので、しっかりと実現性のある計画を作ったうえで金融機関へ相談してください。
一度リスケジュールをしてしまうと、基本的には新規融資は受けられなくなります。
そのため、リスケジュールをするなら徹底的にするようにしてください。
リスケジュールをしてもなお資金繰りが厳しくなると、
その時には打てる手がなくなるかもしれません。
そのため、やるなら覚悟を決めて徹底的にリスケジュールをしてください。
できれば専門家と相談した上で進めることをお勧めします。
資本性劣後ローン
他にも使える制度として、「資本性劣後ローン」というものもあります。
特徴として、
- 期日一括弁済
- 金融機関からは自己資本としてみなされる
ということが挙げられます。
この制度を使って政府系金融機関から資金調達をすれば、
一括弁済なので資金繰りが楽になり、なおかつ民間金融機関からも資金を調達しやすくなります。
例えば、”損益が回復傾向にあるものの、過去の赤字で債務超過となっており金融機関からお金を借りづらい・・・”といった会社が使うと、(金融機関からの評価上)債務超過が改善して、民間の金融機関からも追加融資が受けられるので、追加の資金調達が可能になり効果てきめんです。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は、コロナ融資が返せない方が諦める前にやることというテーマについて紹介させて頂きました。
金融機関と交渉して資金繰りを楽にする方法は色々ありますので、ぜひ知って貰えればと思います。
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