こんにちは!
行政書士のオサカベです。
実は、豊島区は創業融資制度がかなり充実しているのをご存じですか?
今回は、豊島区の方が使える創業融資について紹介していきます。
豊島区で創業される方はぜひ活用してみてください。
東京都豊島区で創業融資を受けるなら
創業者が利用できる融資の選択肢は、実質以下の2つになります。
- 日本政策金融公庫の融資
- 地方自治体の制度融資
それぞれ順を追って説明していきます。
日本政策金融公庫の融資
日本政策金融公庫とは、国が100%出資する政府系金融機関のことです。
創業者のように信用力が比較的低い方に対しても積極的に融資をしており、民間金融機関の補填としての役割を担っています。
地方自治体の制度融資
地方自治体の制度融資とは、各地方自治体が独自に設けている融資制度のことです。
仕組みとしては、創業者は民間の金融機関から融資を受けることになりますが、その際に支払う利息や保証料の一部を地方自治体が負担することで、創業者でも好条件で融資が受けやすくなります。
ここからは、豊島区でこれらの融資を受ける際の条件について詳しく紹介していきます。
日本政策金融公庫(公庫)
まずは日本政策金融公庫で融資を受ける場合です。
公庫は全国に152支店あり、管轄の支店に申し込むことになります。
豊島区で創業する場合は、池袋支店が管轄の支店になります。
日本政策金融公庫で融資を受けた場合、利率は2.28~3.25%の間で設定されます。
(2022年12月現在、新創業融資制度の基準利率を適用)
ここまでは全国どの地域でも同じ条件なのですが、ここからが豊島区のスゴイところです。
豊島区の場合は、区が利息のうち1.2%を負担してくれる制度があります。
これを利用すれば、実質の利率は1.08~2.05%で融資を受けることができますので、かなり安いコストで資金調達が可能になります。
他の区にはなかなかない制度ですので、豊島区の事業者はラッキーです。
豊島区の制度融資
次に紹介するのが、豊島区の制度融資です。
制度融資なので、あくまでも融資を受ける先は民間の金融機関(信金・信組など)になります。
制度融資を利用することで、民間の金融機関から融資を受ける際に支払う利息について、豊島区が全額負担してくれます。つまり、利息0%で借りられるというとんでもない制度です。
民間の金融機関から融資を受ける際には、信用保証協会へ支払う保証料が発生しますが、保証料も半額を東京都が補填してくれます。保証料は大体1%程度が目安ですので、0.5%程度の実費負担で済むということですね。
先ほどの公庫の利息補助もかなり良い制度でしたが、制度融資の方がもっと低コストで借入ができます。
利用対象者
以下のいずれかの要件を満たし、区指定の相談員の面談(要予約、3回程度)を受けて、創業計画書を作成した方
①事業を営んでいない個人で、申込金額以上の自己資金を有し、事業に必要な許認可等を受けており、以下のいずれかに該当する方
(ア)1か月以内に、新たに個人で豊島区内で起業する具体的計画を有する
(イ)2か月以内に、新たに法人を設立して豊島区内で起業する具体的計画を有する
②事業を営んでいない個人が、個人または法人で豊島区内で起業し、起業した日から1年未満の方
③法人が自らの事業の全部または一部を継続しつつ新たに豊島区内で設立した法人で、以下のすべての要件を満たす方
(ア)新たに起業した日から1年未満
(イ)元となる法人が設立時から筆頭株主または最大の出資者となっている
融資条件
融資限度額 | 1,500万円 |
返済期間 | 84ヵ月以内(据置期間6か月以内) |
利息 | 実質0% |
保証料 | 1/2(東京都が半分負担) |
公庫と制度融資どちらが良い?
ここまで、日本政策金融公庫の融資と豊島区の制度融資について説明させて頂きました。
豊島区の場合はどちらも条件が良いのですが、「結局どちらが良いんだ」と決めかねている方もいると思います。
判断のポイントとして、以下のようなメリット・デメリットがあります。
日本政策金融公庫 | 豊島区区の制度融資 | |
メリット | ・申込から入金まで早い(3~4週間程度) ・創業融資に慣れている | ・調達コストが安い(金利0%) ・地域の信用金庫や信用組合との関係構築ができる |
デメリット | ・制度融資と比べると金利が高い | ・時間と手間がかかる(2~3か月程度) ・金融機関や担当者によっては創業融資の取り扱いに慣れていないことも |
調達コスト以外の最大の判断基準となるのが、「手間とスピード」です。
こちらは圧倒的に公庫に軍配が上がります。
日本政策金融公庫は創業融資を受ける方の95%が利用していると言われており、創業融資の審査の仕組みもできあがっているので審査も非常にスムーズです。申込をしてから順調にいけば3~4週間で入金されます。
それに対し、制度融資の場合は非常に手間がかかります。
入金されるまでに大体3か月程度かかります。
流れとして、制度融資は以下のような手順で進みます。
- 制度融資を取り扱っている金融機関に相談
- 品川区の商工相談員と面談(3回程度)のうえ事業計画作成
- 品川区からあっせん書の交付
- あっせん書をもって金融機関に融資申し込み
- 金融機関と保証協会から審査を受ける(保証協会の面談あり)
- 融資決定、入金
公庫と比べるとどうしても面倒で、時間もかかります。
そのため、大まかにいうと、
・早く楽に融資を受けたい方
→日本政策金融公庫
・時間や手間はかかっても良いので、少しでも好条件で融資を受けたい方
→制度融資
という使い分けが良いと思います。
また、両方利用することも可能です。
例えば直近で必要になる資金を公庫から融資を受けておいて、
後から残りの必要資金を制度融資で調達する、ということも問題ありません。
こうすることで創業時から複数の金融機関とのパイプができますので、
2~3年後に事業を拡大させたいと思った時の資金調達がしやすくなります。
また、公庫からあらかじめ融資を受けておけば、
民間の金融機関も「公庫が貸しているならウチもこれくらい貸そう」ということで融資に前向きになってくれる効果もあります。
ぜひ創業時の資金調達は戦略的に考えて、実行してみてください。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は、豊島区の創業融資について紹介させて頂きました。
豊島区の場合、他の区の制度融資よりも恵まれていると思います。
せっかくの制度ですので、ぜひ活用してみてください。
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