こんにちは!
行政書士のオサカベです。

今回は、収益計画っていったい何のために作るの?というテーマについて紹介させて頂きます。

先日、友人の経営者と話していたところ、「収益計画って絶対その通りにいかないけど作った方が良いの?」という会話になりました。

たしかに、収益計画を立てたところでその通りに行くことなんてほとんどありません。
だからといって作らなくていいかというと、そうとも思いません。

そこで今回は、収益計画を作る目的について意見を述べさせて頂きます。

収益計画=未来予想ではない

そもそも収益計画に対するとらえ方ですが、収益計画=未来予想だと思っている方はいないでしょうか?

確かに、金融機関や投資家などの第三者に提出する収益計画は、ある種未来予想のような性格を持ちます。

仮に収益計画が未来予想だとすると、確かに第三者に出す必要性でもない限り、作る意味はないかもしれません。しかし、本来の経営という意味で作る収支計画は、決して未来予想ではありません。

収益計画を作る目的

収益計画とは、会社を望む方向へ成長させるために必要となる利益額や売上を算出し、どのような打ち手でその目標を達成するかを検討するための計画です。

社長が持って行きたい未来(ゴール)に対して、どのくらい売上を上げてどのように経費を使えばそのゴールにたどり着くのかを示す、いわば経営における地図のようなものです。

具体例で考えてみましょう。

たとえば、「3年後に役員報酬を月100万円にする」といった具体的な目標があったとします。

その会社が現状、

  • 限界利益率(1-変動比率):60%
  • 固定費:2,000万円/年
  • うち役員報酬:600万円/年(月50万円)
  • 借入の元金返済:100万円/年
  • 減価償却費:便宜上0円

だとします。

このときに、「役員報酬を月100万円にしてもキャッシュフローが回るようにしたい!」という目標があれば、その目標を達成するために収益計画が使えます。

具体的に解説します。

・元金返済が年間100万円だとすると、税引き後利益が少なくとも100万円必要になります。

・税引き後利益で100万円残すとなると、法人税率30%と仮定して約143万円の税引き前利益が必要です。

・特別損益がないと仮定して、経常利益ベースで143万円必要になります。

・経常利益が143万円必要だとすると、限界利益率と固定費を使って目標売上高も計算できます。

・限界利益率は60%で、固定費は2,600万円(もともとの2,000万円+役員報酬増額分600万円)ということから、目標売上高は約4,572万円ということが分かります。

※目標売上高=(固定費+目標利益)÷限界利益率

つまり、目標である「役員報酬を月100万円にしてもキャッシュフローが成り立つ」ためには、年4,572万円の売上高が必要ということが分かりました。

4,572万円の売上高が妥当なのであれば、この売上高を達成するために毎月の客数や客単価をどうしていくかの具体的な目標・アクションプランの検討に入ればいいですし、現実的ではないのであれば固定費削減の検討や目標の再設定など、計画の見直しをすれば良いのです。

そして出来上がった収益計画は、いざ目標を達成するための1つの道しるべとなります。
収益計画の数字に近づくように経営を頑張っていれば、目標とする「役員報酬月100万円」に近づくことになります。

これが収益計画の本来的な使い方だと思っています。
単なる未来予想ではなく、目標を達成するための具体的なシミュレーションであり、地図でもあります。

このように収益計画を立てて、PDCAを回していければ、その分目標達成が早くなりますので、ぜひ知っておいてください。

まとめ

いかがだったでしょうか。
今回は、収益計画はいったい何のために作るの?というテーマについて紹介させて頂きました。

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