こんにちは!
起業資金の専門家オサカベです。
今回は、「店舗ビジネスで融資を受けるときに物件契約と融資の順番はどうする?」というテーマについて紹介させていただきます。
店舗ビジネスの融資で問題になるのが「物件契約と融資の順番」
店舗ビジネスで融資を受けるときに、よく問題になるのが「物件契約と融資の順番」なんですね。
例えば飲食店や美容室で店舗を出すとき、物件の契約時に、家賃の10ヶ月分の物件取得費用を払う、ということもごく一般的ですよね。
仮に家賃が40万円だとして、10ヶ月分の物件取得費用といったら、それだけで400万円になります。人によっては、そんな大金をまとめて払うのは大変なので融資を受けないといけないという方もいると思います。
ここで問題になるのが、物件契約と融資の順番なんですね。
理想を言えば、融資を受けて資金がある状態で物件を決めて、申込みをして物件契約をする、という流れができれば一番いいんですが、残念ながらそれはできないんです。
金融機関に融資を申込むときには、原則として物件が決まっている、もっと言えば物件の申込みをしている状態じゃないといけないんですね。
そもそも物件が決まっていないと、家賃や物件の取得費用、内装費用も検討がつかないので収支の計画も立てられないんです。流石にこの状態だと金融機関も融資の審査はできませんし、そもそも物件を契約するかどうか分からない相手に融資をするのもリスクがあるんです。
そういった理由で、物件が決まる前に融資を受けることはできないんです。
ただ、融資を受けるよりも前に物件を契約するとなると、そもそも物件取得費用を自己資金で賄うことになりますし、それに仮に融資が受けられなかった場合、大ダメージになります。
物件契約後に融資が通らなかったという理由で出店を取りやめたとしても、大家さんに支払った分のお金は違約金として返ってこないということもあるんですね。不動産売買の場合は融資特約といって、「融資が通らなければ白紙に戻します」という契約もあるんですが、賃貸の場合は融資特約はまず付けられないんです。
じゃあどうすれば良いの・・・というと、一番リスクの少ない方法としては、物件を申込んでから融資を受けて、融資の実行後に物件の契約をする、という方法です。
この場合、物件の申込前にある程度事業計画書を準備しておいて、物件の申込みのタイミングですぐ融資の申込みを行うんですね。
金融機関にも事情を伝えて早く審査を進めてほしい旨を伝えれば、ある程度は考慮してくれるので、それで早く融資審査に回してもらって、融資の決定後にすぐ不動産会社に支払う、という流れが一番リスクは少ないです。
融資審査には通常1ヶ月程度、公庫とかで早くて2週間くらいはかかりますので、できれば不動産会社経由で大家さんにも交渉してもらって、融資の結果が出るまで待ってもらったり、手付金として待って貰っている間の家賃1〜2ヶ月分だけ払って契約日を伸ばしてもらったり、そういった方法でリスクを抑えることができます。いざ融資が否決になったとしても失うのは手付金だけで済みます。
ただ、現実問題、特に良い物件であればあるほど、大家さんは待ってくれません。
良い物件は自分以外にも何人か申し込んでいるので、その中で自分だけ「融資の結果が出るまで待ってほしい」なんて言ってもよっぽどのことがない限り相手にされないっていうのが現実なんですね。
大家さんとしても不動産会社さんとしても、物件は当然早いうちに決まってくれた方が早く家賃収入が取れるのでいいわけですし、それに「融資が通らなかったら物件契約しないかも・・・」なんて言っているところって、大家さんの心象的にも貸したくはないじゃないですか。
仮に、資金に余裕があって即決できる会社と、「融資が通れば契約したい・・・」と言ってくる会社が同一の条件で申込んできた場合、大家さんとしてはどちらに貸したいか、どちらの方が貸すリスクが低いかといえば、一目瞭然です。
なので、理想をいえば、融資が断られたときのリスクを考慮して、物件の契約自体は融資の決定後まで待ってもらうよう交渉する、という方法が良いとは思うんですが、現実問題、物件によってはそんなことは言ってられないので、リスクを承知で先に物件を契約してしまうということはケースとして全然あります。
ただその場合でも、あからさまに融資の見込みがないのに物件を申し込んでしまってはあとあと大損するので、事前に金融機関の担当者に感触を聞いてみるとか、専門家に相談するとか、一応できる範囲での確認をしてから臨んだ方がリスクは抑えられるかと思います。
ということで、最後まで読んで頂きありがとうございました!
ただいま、「創業融資を成功させる7つのポイント」という小冊子を無料で配布しています。
ぜひお気軽にダウンロードされてみてください!