こんにちは!
行政書士のオサカベです。
今回は、伴走支援型特別保証について紹介していきます。
伴走支援型特別保証とは
伴走支援型特別保証とは、金融機関による中小企業者に対する継続的な伴走支援などを条件に、信用保証料の事業者負担を大幅に引き下げる制度です。
新型コロナウイルス感染症の影響を受けた中小企業者にとって、早期に経営改善に取り組みポストコロナ時代への対応を進め、売上高等を回復させていくことが重要です。
一方で、今後のコロナ禍の影響を正確に見通すことは非常に難しいものです。そのため、中小企業の経営者が1人で悩むことなく、支援機関と相談をしながら、経営改善の取組を進めることを後押しする必要があります。
そこで、一定の要件を満たした中小企業者が、金融機関との対話を通じてコロナ禍を乗り越えるための「経営行動計画書」を作成したうえで、金融機関による継続的な伴走支援を受けることを条件に、借入時の信用保証料を大幅に引き下げる「伴走支援型特別保証制度」が開始されました。
制度自体は2021年4月よりありましたが、
2022年の10月より、保証限度額が6,000万円から1億円に引き上げられました。
申込要件
次のいずれかの要件に該当し、かつ経営行動に係る計画を策定している中小企業者が対象です。
1.セーフティネット保証4号(新型コロナウイルス感染症に係るものに限る)の認定を受けていること
2.セーフティネット保証5号の認定(売上高等の減少を要因とするものに限る)を受け、かつ次のいずれかに該当すること
(1)売上高等減少率が15%以上であること
(2)売上高等減少率が15%未満の場合、最近1か月間に対応する前年同月の売上高が令和2年1月29日時点における直近の決算の月平均売上高等と比較して15%以上減少していること
3.次のいずれかに該当すること
(1)最近1か月間の売上高が前年同月の売上高と比較して15%以上減少していること
(2)最近1か月間の売上高が前年同月の売上高と比較して5%以上減少し、かつ前年同月の売上高が令和2年1月29日時点における直近の決算の月平均売上高等と比較して15%以上減少していること
制度内容
融資限度額 | 1億円 |
資金使途 | 運転資金・設備資金 |
融資期間 | 10年以内(据置5年以内) 一括返済は1年以内 |
金利 | 取扱金融機関の所定の利率 |
保証料率 | 0.85%(事業者負担は0.2%) |
保証人 | 原則無保証 (法人の場合の代表者を除く。ただし、本制度における経営者保証免除対応を適用する場合は法人代表者の連帯保証を徴求しない。) |
担保 | 必要に応じて徴求 |
経営行動計画書
伴走支援型特別保証を利用するには、「経営行動計画書」を作る必要があります。
現状分析、財務分析、具体的なアクションプランといったことを記述します。
経営行動計画書様式
https://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/2021/210325hosyo02.pdf
伴走支援型特別保証のメリット
伴走支援型特別保証を利用することで、以下のようなメリットがあります。
①保証料負担が軽い
SN保証4号・5号の認定を受けて伴走支援型特別保証を利用する場合、
保証料率が実質0.2%となります。
保証料は前払いなので、低いとその分手元に入ってくる資金が多くなります。
0.2%の負担で済むというのはとても大きいですね。
②経営者保障を外すこともできる
伴走支援型特別保証では、以下の条件を満たせば、経営者保障を外すことも可能です。
- 直近の決算が資産超過であること
- 法人と代表者の資産・経理が分離されていること
なお、経営者保障を外すには「経営者保証免除対応確認書」の提出が必要です。
③一般保証と比べると保証協会の保証も受けやすい
伴走支援型特別保証は、文字通り金融機関の伴走支援が継続的に行われます。
また、融資申し込み時も「経営行動計画書」を金融機関と一緒に作らなければいけません。
金融機関のバックアップを受けながら進めるということで、
信用保証協会も、一般の保証と比べれば比較的保証しやすいといえます。
いつまで続くのか?
伴走支援型特別保証は、2023年3月31日申込み分までが期限です。(2022年11月17日現在)
また、伴走支援型特別保証の要件の1つでもあるセーフティネット保証4号の期限は今のところ2022年12月末までです。(2022年11月17日現在)
これまで期限延長があったので今後も継続する可能性もあります。
タイムリーな情報については、メールマガジンで発信していますのでそちらもご参考ください。
伴走支援型特別保証に準じた借換の制度
2022年11月に中小企業庁で委員会が開かれ、
今後のゼロゼロ融資返済対応に向けた新たな借換保証制度の案が議題に上がりました。
新たな借換保証制度のイメージは以下の通りです。
- コロナ融資の返済負担の軽減を図りつつ、収益力改善を促す保証制度とするため、金融機関による伴走支援と経営指標の向上目標を設定した経営行動計画書の作成を条件とする。
- 保証料は低水準に設定(例えば、セーフティネット保証4号を取得した者の借り換えの場合は、0.2%)。
- 民間ゼロゼロ融資からの借り換えだけでなく、他の保証付融資からの借り換えや新たな資金需要にも対応するため、保証限度額を1億円(民間ゼロゼロ融資の上限額6千万円)に設定。
- 100%保証の融資は、100%保証での借換が可能。
- 保証期間は10年以内(据置期間5年以内)。
- 売上が一定程度減少した事業者に加え、利益率が一定程度減少した事業者も対象。
伴走支援型特別保証とかなり似ているということが分かります。
このように、今後のゼロゼロ融資返済ピークに向けて、
伴走支援型特別保証に準じた制度が作られていく予定のようです。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は、伴走支援型特別保証について紹介させて頂きました。
ゼロゼロ融資の増額借換にも使える制度ですので、ぜひご参考になれば幸いです。
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