こんにちは!
行政書士のオサカベです。

今回は、「日本政策金融公庫の創業融資はいくらまでなら借りられる?」というテーマについてお話しようと思います。

日本政策金融公庫の創業融資はいくらまでなら借りられる?

早速結論ですが、
「創業融資はいくらまでなら借りられる?」に対する答えは、

  • 自己資金の2~3倍の額で、
  • 運転資金の場合は3~4か月程度、
  • なおかつ公庫の場合、上限は1,000万円

といった回答が私の見解になります。
以下、このように考えた背景について説明していきます。

制度上の上限と事実上の上限

そもそも創業融資には制度上の上限金額があります。

例えば日本政策金融公庫の「新創業融資」の場合、
融資限度額は3,000万円(うち運転資金1,500万円)です。

この条件だけ見ると、「なんだ、3,000万円まで借りられるのか!」と
思うかもしれませんが、現実はそうはいきません。

3,000万円というのはあくまでも制度上の話であって、
実際は1,000万円までというのが事実上の上限となります。

日本政策金融公庫は各地域に支店が存在していますが、
1,000万円までなら支店内で決裁が可能です。

これが1,000万円を超えると、本店決済となります。
つまり、支店内の稟議で支店長の承認があった後、
稟議書が本店に送られ、本店の審査部が審査を行うことになります。

こうなってしまうと、融資のハードルもかなり高くなるので、
よほど条件が揃っていれば別ですが、そうでなければ事実上の上限は1,000万円が限度と考えておいた方が良いです。

自己資金との兼ね合い

創業融資の大きな審査ポイントとして、「自己資金」が挙げられます。
自己資金は、融資申込みのときの条件になっている制度も多いです。

例えば日本政策金融公庫の「新創業融資」の場合は、
「創業資金総額の10分の1以上の自己資金」が申込みにあたっての必要条件となります。

これを見ると、「総額1,000万円必要だとして、100万円あれば900万円の借入ができるのか」という風に思われるかもしれませんが、これだと現実問題なかなか難しいです。

先ほど述べた通り、「自己資金」は創業融資の大きな審査ポイントとなります。
そのため、自己資金が少ないと、それだけ借りられる金額も少なくなってしまいます。

事業に関する経験が豊富にあって、売上の目途も経っており、事業計画書も説得力があるといった状況では自己資金が必要総額の10分の1でも借りられるかもしれませんが、そうでもない限り、自己資金の2~3倍の額が借入の限度だと思った方が良いです。

必要資金との兼ね合い

では、自己資金が潤沢にあれば、
その2~3倍以内の額が常に借りられるのかといえば、そういうわけでもありません。

当然、金融機関に対して資金使途(資金の使い道)を示すことができなければ借りることはできません。

例えば、SNS代行で自宅開業するとして、
機材も不要、従業員もおらず個人事業で開業するとします。

このときに、自己資金が1,000万円あったとしても、
極端な話、1,000万円の借入は難しいですよね。

金融機関に融資を申し込む際には、
資金の使い道の説明が必要になりますので、
妥当な使い道から求められる金額でなければなりません。

一般的に、設備資金であれば購入する設備の見積額、
運転資金であれば3~4か月分程度の金額
が妥当です。

借入金額を増やす方法

それでは、1,000万円を超える資金が必要なときはどうすれば良いでしょうか?
答えは、「日本政策金融公庫と民間の金融機関の両方から融資を受ける」ことです。

例えば2,000万円必要な場合、
公庫から1,000万円、民間の金融機関から1,000万円借入します。

これを、「協調融資」といいます。
「2つの金融機関から融資を受けることなんて可能なの?」と思われる方もいるかもしれませんが、むしろこれが本来の借り方です。

日本政策金融公庫はあくまでも民間の補填の為にある金融機関なので、
民需圧迫にならないようむしろ協調融資を推奨しています。

なお、申し込む際は、同時に申し込んでも良いですし、
公庫に対して「民間の金融機関と協調融資を受けたい」と伝えても大丈夫です。
後者の場合、公庫から民間の金融機関へ繋いで貰えます。

また、民間の金融機関から融資を受ける際には、
金融機関から直接融資を受ける「プロパー融資」は創業時だと可能性が低いので、
それよりも、各地方自治体が実施している「制度融資」を活用して借りられないか、事業を行う地方自治体のHPで調べてみてください。

まとめ

いかがだったでしょうか。
今回は、「創業融資はいくらまでなら借りられるか」というテーマについて紹介させて頂きました。

結論として、

  • 自己資金の2~3倍の額で、
  • 運転資金の場合は3~4か月程度、
  • なおかつ公庫の場合、上限は1,000万円

というのが一つの目安になると思います。
たくさん借りたい方は、日本政策金融公庫の創業融資だけでなく、
協調融資という手も検討してみてください。

この記事が少しでも参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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