こんにちは!
行政書士のオサカベです。
今回は、東京都が実施している「女性・若者・シニア創業サポート事業」について紹介していきます。公庫をはじめ他の融資制度との比較も行いますので、ぜひご参考ください。
女性・若者・シニア創業サポート事業とは??
東京都が実施している創業融資の制度です。
女性、若者(39歳以下)、シニア(55歳以上)を対象に、優遇された融資が受けられる制度です。
特徴
以下の点が特徴の融資制度です。
- 信用金庫・信用組合から低金利(1%以内)・無担保で融資を受けられます
- アドバイザーが付いて、原則3回までの個別相談が可能です
- 事業計画について、アドバイザーとの面談を基に作っていきます
- 融資実行後も、アドバイザーの経営アドバイスを受けられます
- 融資後初めての決算の際には、税理士が無料で決算書作成のアドバイスをしてくれます
- 東京都の創業助成金の申込要件を満たすことができます
対象者
次のすべてを満たす事業者が対象となります。
- 女性、若者(39歳以下)、シニア(55歳以上)で、創業の計画がある者又は創業後5年未満の者(代表者)
- 個人事業主、株式会社、合同会社、一般社団法人、NPO法人 等
- 東京都内に本店又は主たる事業所を置く創業事業であること
- 地域の需要や雇用を支える事業であること
融資条件
融資限度額 | 1,500万円以内(運転資金のみは750万円以内) |
利率(年) | 固定金利1%以内 |
返済期間 | 10年以内(うち据置期間3年以内) |
担保 | 無担保 |
保証人 | 法人:代表者個人または不要 個人:不要 |
融資実行までの流れ
ステップ1.取扱金融機関に相談
まずは取扱金融機関に行き、「東京都の女性・若者・シニア創業サポート事業を受けたい」と伝えてみてください。
金融機関との相談の上、本事業を利用することになりましたら、創業者の方で事業計画書を作成して金融機関へ持っていきます。(金融機関所定の事業計画書フォーマットがあればそれに従うことになります。)
ステップ2.アドバイザーとの面談予約
金融機関が事業計画書を確認後、内容に大きな問題が無ければアドバイザーとの面談が行われます。金融機関がアドバイザーを紹介してくれるので、紹介日から10日以内にアドバイザーと連絡を取り、面談の予約を行います。
ステップ3.アドバイザーとの面談
アドバイザーと面談を行い、事業計画についてのアドバイスを受けます。
事業計画がブラッシュアップされたら、金融機関へ融資の申込を行うことになります。
ステップ4.取扱金融機関への融資申込
アドバイザーの案内に従い、取扱金融機関に対し、面談終了日から10日以内に融資申し込みを行います。
ステップ5.融資審査
金融機関が融資審査を行います。
アドバイザーのOKを貰ったからといって、必ず審査に通るわけではありません。
ステップ6.融資実行後
アドバイザーが、融資実行後の経営サポートを行ってくれます。
実際どうなの??
東京都の創業者が利用できる融資は以下の3種類です。
- 日本政策金融公庫の融資
- 市区町村の制度融資
- 女性・若者・シニア創業サポート事業
それぞれの特徴について、比較表に纏めてみました。
(制度融資は市区町村ごとに異なるので、あくまでも私のイメージです)
日本政策金融公庫 | 市区町村の制度融資(東京23区を想定) | 女性・若者・シニア創業サポート事業 | |
利率 | 2.28~3.25% | 0.2%~ | 1%以内 |
保証料 | なし | 0~0.5%程度(東京都が1/2~全額補助) | なし |
担保 | 無担保 | 無担保 | 無担保 |
保証人 | 不要 | 法人:代表者個人保証が必要な場合も 個人:なし | 法人:代表者個人保証が必要な場合も 個人:なし |
融資実行までの時間 | 2~3週間程度 | 2~3か月程度 | 2~3か月程度 |
手間 | 少ない | 多い | 多い |
「女性・若者・シニア創業サポート事業」を考えた時に、
正直な話、「果たしてどうなのか・・・」という思いがあります。
なんというか、公庫の融資や区の制度融資がある中で、
あえて「女性・若者・シニア創業サポート事業」を使うことで大きなメリットがあるかと言われると、そこまで無いような気がします。
確かに利率だけを見れば、固定金利1%以下は魅力的だと思います。
しかし東京都(特に23区)の場合、区の制度融資が充実しているので、そちらの方が好条件ということも少なくありません。
例えば品川区の場合、区の制度融資を利用すれば利率0.2%で借りられます。
信用保証協会への保証料もかかりません。
「女性・若者・シニア創業サポート事業」は手間と時間がかかります。
アドバイザーと日程調整が付かずに融資実行が遅れてしまうこともあります。
金融機関も慣れていないので時間がかかるかもしれません。
どのみち手間がかかるなら、区の制度融資を利用した方が良い場合の方が多いのかなと思います。(もちろん、市区町村や創業者の状況、必要金額等によっては、「女性・若者・シニア創業サポート事業」を利用した方が良い場合もあると思いますが。)
手間や時間がかかるのは嫌という方であれば、迷わず公庫の融資一択です。
1日でも早く事業を始めたい方は公庫の融資を受けておいて、後から区の制度融資や女性・若者・シニア創業サポート事業を併用することも可能です。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は、東京都の女性・若者・シニア創業サポート事業について紹介させて頂きました。
日本政策金融公庫の融資と違って手間がかかる制度ですので、
「手間や時間を惜しまない」という方はぜひトライしてみても良いと思います。
また、トライする際にも、まずは区の制度融資と見比べてみて、
どちらが良いか決めてみると良いと思います。
判断に迷ったり、そもそも制度の違いがよく分からなかったりするときは、
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