こんにちは!
行政書士のオサカベです。

先日、あるお客様から「融資を検討しているが、銀行から渋られていて困っている」という相談を受けました。

創業から十数期経っている会社様ですが、どうやら決算書を銀行に見せたところ、イマイチ反応が良くなかったようです。

創業してしばらく経つと、融資審査は決算書によって決まってしまう部分が多いです。
借りたいときに借りられる会社になるためにも、日ごろから決算書を意識して経営をすることが重要です。

そこで今回は、後々後悔しないために意識するべき貸借対照表(BS)のポイントについて紹介させて頂きます。

BSのポイント

利益剰余金

毎年のPL上の利益の積み重ねが利益剰余金としてBSに積みあがっていきます。
利益剰余金はいわばこれまでの営業活動トータルの実績を表すものです。

ここがマイナスで、かつマイナス額が資本金の額を超えてしまうと債務超過となり、銀行からの借入ハードルが上がります。

経営者の中には、「税金を払いたくないからわざと赤字を作る」という方もいると思います。
ただ、これをしてしまうと、毎年の赤字が積み重なって利益剰余金がマイナスとなり、ひいては債務超過に陥ります。

債務超過が数期連続で続くと、銀行からの格付けも下がり、新規融資が原則として受けられなくなってしまいます。節税目的で赤字を重ねた結果、いざ融資が必要なときに受けられないということにもなりかねないので注意してください。

貸付金

貸付金も要注意科目です。
特に、役員貸付金に多額が計上されていると、銀行からの評価は落ちてしまいます。

銀行は、貸したお金が本来の用途とは別に使われることを最も嫌います。
当然、事業に使って利益を生んでくれなければ返済財源が用意できないからですね。

特に、貸したお金が社長個人の私的流用に使われてしまっては、銀行としては見過ごせません。役員貸付金が多いと、会社のお金をたくさん私的流用している社長だと思われるので、注意してください。

同様に、立替金や未払金についても、科目が変わっただけで実際は私的流用に使われることが多いので、この勘定科目があるだけで悪印象です。

現預金

最後に、現預金の額も意識してください。
会社が資金繰りに困らず維持・拡大していくためには、現預金の残高は何よりも重要です。

資産超過だから大丈夫だと思っても、実際には売掛金が焦げ付いていたり棚卸資産(在庫)が膨らんでいたりで、現預金は足りないということも少なくないです。

たとえ資産超過であったとしても、現預金がない限りは資金繰りに苦しい会社だと思われ、融資審査の際にも影響が出てしまいますので、注意してください。

まとめ

いかがだったでしょうか。
今回は、後々後悔しないためのBSを意識した経営のポイントという点について紹介させて頂きました。

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