こんにちは、行政書士の越阪部です。

昨日の夜に「小規模事業者持続化補助金」の第10回の公募要領が公開されました。
今回の申請締切は2022年12月9日です!!

なお、申請にあたって商工会へ確認書を貰う必要があるのですが、その受付期限は2022年12月2日です。
意外と期間は短いので、今回申請される方は早めに準備しておくようにしましょう。

小規模事業者持続化補助金とは?

小規模事業者が販路開拓等の取組をする際に、その経費の一部を国が補填してくれる補助金です。

この補助金の特徴は、何といっても「使いやすい」こと!

「ものづくり補助金」や「事業再構築補助金」といった他の補助金と比べて、
貰える額は小さいものの、申請にあたっての厳しい要件が無いので圧倒的に申請しやすいです。

小規模事業者であれば多くの方が使えて、個人事業主やフリーランスの方でも大丈夫です。
まだ活用されていない方は、ぜひこの機会に知っておいてください!

補助額

貰える金額は以下表の通りです。
通常枠の場合50万円が上限、特別枠であれば200万円が上限になります。

通常枠50万円
賃金引上げ枠200万円
卒業枠200万円
後継者支援枠200万円
創業枠200万円
インボイス枠100万円

なお、補助率は2/3(賃金引上げ枠のうち赤字事業者については3/4)です。

例えば補助事業の実施に75万円の経費がかかったとすると、そのうち2/3の50万円が補助金として貰えます。

補助対象者

持続化補助金は、「小規模事業者」であれば使えます。
小規模事業者かどうかの判断は、従業員によってなされます。

商業・サービス業常時使用する従業員数 5人以下
製造業・宿泊業・娯楽業常時使用する従業員数 20人以下

また、過去に持続化補助金に採択されていても大丈夫です。
その場合、前回の採択から10カ月以上経っていれば今回の公募で再申請できます。

うまく活用している方は毎年繰り返して使っているので、ぜひ知っておいてください!

どの枠で申請するのが良い?

今年度の持続化補助金には、いくつか申請枠があります。
普通であれば通常枠に申請するので補助上限は50万円ですが、
特別枠に申請することで補助上限が最大200万円まで増えます。

通常枠50万円
賃金引上げ枠200万円
卒業枠200万円
後継者支援枠200万円
創業枠200万円
インボイス枠100万円

特別枠は一定の条件を満たす事業者しか申請できないので、
なかなか使い勝手の良いものではありませんが、比較的申請しやすいのは【賃金引上げ枠】です。

補助事業の終了時において、事業場内最低賃金が地域の最低賃金より+30円以上であることが要件です。

この要件を満たせれば、補助上限が200万円になるので、
例えば300万円を経費に使って200万円を補助金として受け取るということが可能になります。

他にも、【インボイス枠】も使える事業者は多いと思います。
これまでの免税事業者が補助事業の終了時点で適格請求書発行事業者へ登録していれば、
補助上限が100万円まで上がります。

・・・正直言って、それ以外の枠は使える事業者は限定的かと思います。
一応、どんなものがあるかだけ紹介しておきます。

・卒業枠
従業員数を増やして小規模事業者を卒業すれば使えます。
しかし、このためにわざわざ従業員数を増やすのはナンセンスですし、
今後の持続化補助金が当然使えなくなるので、あまり狙いに行くのはオススメしません。

・後継者支援枠
事業承継に際して「アトツギ甲子園」のファイナリストになった事業者が対象です。
対象者は極めて限られます。

・創業枠
「認定連携創業支援等事業者」が実施した「特定創業支援等事業」による支援を受けて
開業した者が使える枠です。これも多くの事業者にとっては関係ないと思います。

以上のことから、特別枠を狙いに行くなら、「賃金引上げ枠」「インボイス枠」が狙いやすいです。

使える経費は?

持続化補助金で使える経費は以下の通りです。
対象となる経費の幅が広く、主に機械装置や広報費等に多く使われています。

①機械装置等費補助事業の遂行に必要な機械装置等の購入に要する経費
②広報費パンフレット・ポスター・チラシ等を作成および広報媒体等を活用するために支払われる経費
③ウェブサイト関連費販路開拓等を行う為のウェブサイトやECサイト等の構築、更新、改修、開発、運用をするために要する経費
④展示会等出展費新商品等を展示会等に出展または商談会に参加するために要する経費
⑤旅費補助事業計画に基づく販路開拓等を行うための旅費
⑥開発費新商品の試作品や包装パッケージの試作開発にともなう原材料、設計、デザイン、製造、改良、加工するために支払われる経費
⑦資料購入費補助事業遂行に必要不可欠な図書等を購入するために支払われる経費
⑧雑役務費補助事業計画に基づいた販路開拓を行うために必要な業務・事務を補助するために補助事業期間に臨時的に雇い入れた者のアルバイト代、派遣労働者の派遣料、交通費として支払われる経費
⑨借料補助事業遂行に直接必要な機器・設備等のリース料・レンタル料として支払われる経費
⑩設備処分費当該事業者自身が所有する死蔵の設備機器等を廃棄・処分する、または借りていた設備機器等を返却する際に修理・原状回復するのに必要な経費
⑪委託・外注費上記①から⑩に該当しない経費であって、補助事業遂行に必要な業務の一部を第三者に委託・外注するために支払われる経費

スケジュール

・商工会の事業支援計画書受付締切:2022年12月2日
・申請受付締切:2022年12月19日

※申請の前に商工会に事業計画を持って行って、
確認書(事業支援計画書)を発行して貰う必要があります。この締切が2022年12月2日となります。

申請方法

所定の事業計画を作った後、商工会に事業計画書を持って行って確認して貰います。
確認後、「事業支援計画書」を交付して貰えるので、書類一式を郵送または電子申請で申請します。

電子申請だと加点となるので、必ず電子申請をするようにしましょう。

なお、電子申請には、「GビスIDプライム」というアカウントが必要です。
アカウント取得には、通常2週間程度かかるので、とにかく早めにアカウントを発行しておくようにしてください。

事業計画書の審査ポイント

補助金は申請して誰でも貰えるものではありません。
事業計画書を採点され、点数の高い事業者が補助金を貰えることになります。

採点ポイントは以下の通りです。
各項目ごとに採点され、総合計得点で判断されるので、
とにかく採点ポイントを抑えた計画書を作ることが必要です。

①自社の経営状況分析の妥当性

  • 自社の経営状況を適切に把握し、自社の製品・サービスや自社の強みも適切に把握しているか。

②経営方針・目標と今後のプランの適切性

  • 経営方針・目標と今後のプランは、自社の強みを踏まえているか。
  • 経営方針・目標と今後のプランは、対象とする市場(商圏)の特性を踏まえているか。

③補助事業計画の有効性

  • 補助事業計画は具体的で、当該小規模事業者にとって実現可能性が高いものとなっているか。
  • 地道な販路開拓を目指すものとして、補助事業計画は、経営計画の今後の方針・目標を達成するために必要かつ有効なものか。
  • 補助事業計画に小規模事業者ならではの創意工夫の特徴があるか。
  • 補助事業計画には、ITを有効に活用する取り組みが見られるか。

④積算の透明・適切性

  • 補助事業計画に合致した事業実施に必要なものとなっているか。
  • 事業費の計上・積算が正確・明確で、真に必要な金額が計上されているか。

まとめ

いかがだったでしょうか。
持続化補助金は数ある補助金の中でも特に使いやすい補助金です。

従業員の要件さえ満たせばほとんどの事業者で活用できるので、
まだ活用されていない方は、ぜひこの機会に申請してみてください!

最後まで読んで頂きありがとうございました。

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