こんにちは!
行政書士のオサカベです。
今回は、「創業融資の最重要審査ポイント3つ」について紹介していきます。
創業融資は、通常の融資と異なり、特有の審査ポイントがあります。
通常の融資であれば決算書を基に実績で融資可否の判断を行うのですが
創業の場合は決算書なんてありませんよね。
そのため、創業融資は実績ではなく、
代表者の人柄や事業の実現性といった特有のポイントが評価されます。
今回は、そんな創業融資の審査項目の中でも、
特に重要な審査ポイント3つについて紹介させて頂きます。
①創業者のキャリア
創業融資の審査では、創業者のキャリアや経験が聞かれます。
金融機関もこれまでの経験上、未経験分野での開業の廃業率が多いことを知っていますので、どうしてもキャリアは重要視されてしまいます。
キャリアについては、できれば6年以上あるのが望ましいです。
6年あれば、経験は十分だとして評価されます。
とはいえ、もし6年のキャリアが無かったとしても、
アピールできるものは一通りアピールしておいてください。
仮に半年のアルバイト経験でも、全く経験がないよりはマシです。
「全くの未経験分野での開業」という場合でも、
関連する経験やスキルがないかを探してみましょう。
例えば、「飲食店を開業する」場合で、飲食店での勤務経験がなかったとしても、
「アパレルで店長をしていた」経験があれば、店舗経営の経験としてアピールできますし、
「前職で営業・販売をしていた」のであれば、接客の経験としてアピールできます。
このように、創業する分野に少しでも関連するキャリアがないかを探して
うまくアピールすることができれば、その業種自体は未経験だとしても多少は評価に繋がります。
②自己資金
創業融資においては、自己資金も重要な審査項目となります。
「お金がないから融資を受けるのに、自己資金が重要とはどういうことだ」と思うかもしれませんが、
悲しいことに自己資金の額は融資審査に大きく影響します。
創業融資において自己資金は「創業に対する熱意や計画性の表れ」として評価されます。
たとえどんなに立派な計画書を書いたとしても、「自己資金10万円です」といったら、「この人は本当にやる気があるのかな?」と思われてしまいます。
逆に、「創業に向けて会社員時代からコツコツとお金を貯めてきました」といったら、「この人は本気で創業したいんだな」ということが分かります。
このように、自己資金は創業に対する熱意や計画性を測るという点でも見られますので、
注意しておくようにしてください。
一つの目安として、「必要総額の3分の1」は自己資金で賄えるとベストです。
また、自己資金は貯め方についても気を付けるようにしてください。
自己資金を貯めた経緯については、通帳を提出するのでその時に確認されます。
もし「融資直前に大金の入金がある」という場合は、その入金の出元を聞かれます。
いわゆる「見せ金(融資の為だけに一時的に用意したお金)」だと疑われてしまうので注意してください。現金で貯金する、いわゆる「タンス預金」についても、見せ金であることを反論できないので、自己資金と認められることは少ないです。
自己資金については、こちらの記事に纏めていますのでご参照ください。
③事業計画書の妥当性
最後の3つ目は、事業計画書の妥当性についてです。
創業融資を受けるにあたっては、収支計画を作成して、
返済能力がある(税引き後利益+減価償却費が毎月の返済額を上回る)ことを説明する必要があります。
多くの場合、月次の損益計画を作って説明しますが、
どれだけ説得力のある計画を作れるかがポイントです。
もちろん計画なので、実際どうなるかを当てることはできませんし、当てる必要もないのですが、あまりにも突拍子もない数字だと、事業計画そのものの信用力が落ちてしまいます。
説得力を高める計画を作るためのコツは、
例えば売上であれば「客数×客単価」といったように、細かく分解して考えるという点です。
例えば飲食店であればそれぞれの曜日でランチとディナー毎に客数の予測を立てます。
ランチとディナーそれぞれで平均の客単価を算出し、「客数×客単価」で曜日ごとの売上を立てます。
これを月単位に直せば、月間売上が求められます。
ただ単に、「今月はとりあえず100万円!」とか「前月より+10%」といったように計画を立てるよりも遥かに説得力が出ます。
欲をいえば、さらにここから祝日や季節変動などを考慮できるとさらに説得力が上がります。
3つどれか一つでもかけていると融資は受けられないのか
ここまで、
- キャリア
- 自己資金
- 事業計画
という重要ポイント3つについてお話させて頂きました。
これら3つはかなり大事な審査項目にはなりますが、
どれか1つが欠けているからといって融資が受けられないわけではありません。
実際問題、1つが欠けているとその分マイナス材料となるのは間違いありませんが、
他の2つでカバーすれば補うことも可能です。
例えばキャリアが無くても、その分自己資金を潤沢に用意し、
かつ計画も周到に立てて説得力のあるものであれば、融資を受けることは可能です。
逆に自己資金が無くても、キャリアが申し分なく、
かつ創業後の売上の目途も立っている等、事業計画の実現性も示すことができれば、
融資を受けることも可能です。
ただ、「自己資金とキャリアのどちらもない」といったように、
2つの要素が欠けているとなると、融資を受けるのはかなりハードルが上がってしまいます。
せめて3つのポイントのうち2つは満たせるように準備をしておくのがオススメです。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は、創業融資の最重要審査ポイント3つについて紹介させて頂きました。
ぜひご参考になれば幸いです。
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