こんにちは!
行政書士のオサカベです。
今回は、日本政策金融公庫の創業計画書の書き方について紹介していきます。
創業融資は通常の融資と異なり、決算書を見せて実績を確認されるということがないので、将来的なビジョンである創業計画書の説得性は非常に大切な要素となります。
ここでは、どういった計画書なら創業融資の審査に通りやすいのか紹介していきます。
日本政策金融公庫の創業計画書
日本政策金融公庫の場合、A3用紙1枚の所定の創業計画書が用意されています。
創業計画書の他にも、月次収支計画書や資金繰り表が公庫のHPからダウンロードできるので、創業計画書の補足資料として使います。(ご自身で用意したフォーマットを使っても問題ありません。)
飲食店など分かりやすいビジネスモデルで自己資金も潤沢にあるような場合はA3の創業計画書1枚で通ることもありますが、多額の融資を希望する場合や分かりにくいビジネスモデルの場合は、創業計画書+補足資料という形で、資金繰り計画や収益計画も一緒に提出します。
創業計画書に書くべきポイント
公庫の創業計画書のフォームに沿って、創業計画書に書くべきポイントを紹介します。
(1)創業の動機
創業の動機については、「創業者の本気度や熱意」を測るために創業の動機を見ています。
単に「儲かりそうだから」とか「前職が嫌だったから」みたいな理由だと、「きっと続かないだろうな」と思われてしまうので、本気度や熱意が伝わるような書き方にしましょう。
また、単に意気込みをダラダラと書くのではなく、「3年間準備して資金を貯めてきて、この度必要額が貯まった」とか「半年前からテストマーケティングをしており、このビジネスモデルに需要があることが確認できたから」といったように、具体性・客観性のある内容が書けると第三者から見て納得感が出ます。
(2)経営者の略歴等
経営者の経歴も、創業融資においては非常に重要な要素です。
これまでの統計上、「未経験分野での創業は廃業率が高い」ということを公庫も知っていますので、経歴がある/ないは大事な要素です。
仮に経験がない場合は、「その分野での経験年数は乏しいが、創業して事業をうまくやっていくだけの能力は持っている」ということを理解して貰えるよう、他の分野での経験や、何か応用できる経験がないかを意識して書きましょう。
(3)取扱商品・サービス
ビジネスの概要やセールスポイント、マーケティング戦略を説明します。
分かりやすいビジネスモデルでは不要ですが、サービス業など特殊なモデルの場合、別紙でビジネスモデル図を作って簡単に理解できるように纏めると良いでしょう。
特にSaaSなどのIT分野で開業する場合、ビジネスモデルが伝わらないと審査側も判断がうまくできないので、ビジネスモデル図や商流、関係会社などの構図は簡単に纏められるようにしてください。
また、マーケティング戦略についても説得的に書く必要があります。
「誰に」「何を」「どのように」といったコンセプトから、競合と比べたポジショニング・優位性・集客のしくみまで、「これなら売りが立ちそうだ」と金融機関から思って貰えるような計画を作りましょう。
(4)取引先・取引関係等
販売先や仕入れ先が決まっていれば記入します。
資金繰りを確認するために、回収(支払)条件についても記入します。
既に販売先が決まっている場合は、融資審査上プラス材料になりますので、
契約書を添付するなどして、積極的にアピールしましょう。
(5)従業員
従業員数を記入する欄です。
(6)お借入の状況
代表者個人の既存の借入を記入します。
車や住宅などのローンが残っている場合、それだけでマイナス材料になることはありませんが、毎月のキャッシュフローが「既存の借入の返済額+創業融資の返済額」を超えるように資金繰り計画を作らなければいけません。
借入の状況については、嘘をついても必ずバレます。
嘘がバレると融資はほぼ100%不可なので、正直に書くようにしましょう。
(7)必要な資金と調達方法
設備資金/運転資金それぞれでいくら必要になるのか、
また、その資金はどうやって調達するのかを明記するようにしましょう。
設備資金は見積書が必要です。
運転資金は見積書は不要ですが、3か月分程度が目安です。
借入額の適切性を判断されるポイントなので、気を付けて書きましょう。
ここが適当だと、融資が認められなかったり、希望額から減額されてしまったりします。
(8)事業の見通し(月平均)
ここが一番大切です。
毎月の収支計画を立てて、ちゃんと返済できるということを説明しましょう。
根拠なく売上急上昇の事業計画を書いても、「絵に描いた餅」なので見て貰えません。
例えば飲食店であれば業界のデータを参考にしたうえで、客単価×回転数×稼働日数、さらには季節変動や曜日変動等も加味して計画を立てる必要があります。
また、原価や固定費の計算もしっかりと根拠を持って作っていく必要があります。
さらに、損益計画を作って終わりではなく、キャッシュフローの動きを見せられればベターです。仮に損益計画上では利益が出ていても、手元のキャッシュはマイナスになることもあります。その場合は借入の返済ができませんので、当然ながら融資は下りません。
資金繰り表を作るなどして「キャッシュフロー>返済額」となるような計画を作り、返済財源を示してください。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は、日本政策金融公庫の創業計画書の書き方について紹介させて頂きました。ぜひご参考になれば幸いです!
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