こんにちは!
行政書士のオサカベです。

今回は、東京都大田区の創業融資について纏めてみました。
ぜひご参考になれば幸いです。

東京都大田区の創業融資

東京都大田区で創業融資を受けるにあたっては、以下の選択肢があります。

  • 日本政策金融公庫の創業融資を利用
  • 大田区の制度融資を利用

日本政策金融公庫とは

日本政策金融公庫とは、国が100%出資する公的な金融機関のことです。
全国に152支店あり、大田区で開業する場合は大森支店が管轄になります。

創業者はまだ実績がないため、民間の金融機関からプロパー融資を受けるのはハードルが高いです。しかし、日本政策金融公庫では、そうした方でもお金を借りられるよう積極的な支援を行っていますので、創業時の資金調達方法として一番利用されている方法となります。

制度融資とは

制度融資というのは、「地方自治体が民間金融機関や信用保証協会と連携して実施する融資制度」のことです。

創業者が民間の金融機関からお金を借りる際には、プロパー融資ではなく信用保証協会の保証を付けるのがほとんどです。その際にかかる信用保証協会への保証料や金融機関への利息などを地方自治体が補填することで、創業者でもお金を借りやすいようにしている制度です。

制度融資は、地方自治体ごとに内容も違います。
ここからは、大田区の制度融資について紹介していきます。

大田区の制度融資

東京都大田区の制度融資は、「大田区中小企業融資あっせん制度」と呼ばれています。

大田区ホームページ:大田区中小企業融資あっせん制度について (city.ota.tokyo.jp)

大田区が金融機関に創業者をあっせんすることで、創業者は利息補助などの恩恵を受けられるという制度です。

制度としては以下の3種類があります。
「商店街空き店舗活用」や「ものづくり事業」は利子補給の割合が通常よりも優遇されます。

  • 開業資金
  • 商店街空き店舗活用 開業資金
  • ものづくり事業 開業資金

融資対象者

開業資金

次の1及び2のいずれかに該当すること。

1.事業を営んでいない個人が、区内に実質的な事業所を有して開業すること(開業した日から 1 年未満の者を含む)。

2.事業を営んでいない個人が、区内に法人を設立(本店登記)して開業すること(法人を設立した日から 1 年未満の者を含む)。

※「開業した日」とは、開業届出書の開業日を指します

商店街空き店舗活用 開業資金

次の1及び2の要件を備えていること。

1.上記「開業資金」の融資対象者の要件を備えている者。

2.区内の商店街空き店舗において、商業活動を目的とした開業を予定している者又は開業した者。

※区内商店街空き店舗とは、商店街の区域(区長が別に定める商業関係団体の届出の制度に基づき当該届出をした団体の商店街の区域をいう。)内にあって、連続して3か月以上事業の用に供されていない大型商業施設内のテナントでない店舗等をいう。

ものづくり事業 開業資金

次の1及び2の要件を備えていること。

1.上記「開業資金」の融資対象者の要件を備えている者。

2.ものづくり基盤技術振興基本法(平成 11 年法律第2号)第2条第2項に規定するものづくり基盤産業又は統計法(平成 19 年法律第 53 号)第2条第9項に規定する統計基準である日本標準産業分類に掲げる大分類E-製造業を営む者として開業を予定している者又は開業した者

融資条件

大田区の制度融資を利用した場合の融資条件は以下表の通りです。
金利負担が実質0.4%と、かなり低金利です。(日本政策金融公庫の新創業融資の場合、2~3%程度です。)

また、東京都の制度融資の利用条件にも適合している場合は、
大田区の制度融資による利子補給に加えて、東京都の制度融資による保証料補助が受けられます。

通常、保証料は1%弱程度ですが、そのうち半分は東京都が補填してくれることになります。

融資限度額2,000万円以内
年率本人負担0.4%以内(商店街空き店舗活用・ものづくり事業の場合は0%)
借入期間7年以内(据置期間1年)
担保必要に応じて
保証人必要に応じて
保証料補助都制度融資の要件に合えば1/2

また、商店街空き店舗活用やものづくり事業で開業する場合は、利息の本人負担が0%で済みます。保証料はかかるものの、わずかな保証料だけでお金を借りることが可能です。商店街や製造業など、大田区らしい制度ですね。

制度融資を利用するまでの流れ

制度融資を利用する場合、以下の手順で進めます。

①金融機関へ相談

まずは制度融資に対応している金融機関へ行き、事前相談を行います。

②大田区へ相談

大田区の商工相談員へ融資あっせんの相談を行います。
場合によっては複数回の面談が設定されます。

③大田区へあっせん申込

事業計画書等の必要書類を揃え、郵送で申し込みを行います。
区の専門相談員が内容を確認し、金融機関宛のあっせん書(有効期間:3か月)を発行します。

④金融機関へ融資申込

大田区から発行されたあっせん書を金融機関に持参して融資審査となります。

信用保証協会を利用する場合は、同協会の審査も行われます。創業の場合は、保証協会の担当が事務所を訪ねてくるのでそこで面談が行われます。

⑤融資の実行

金融機関が融資を決定すると、契約・実行となります(審査によっては融資を受けられない場合があります)。

⑥利子補給の決定

金融機関から融資実行の報告を受けて、区から利子補給の交付決定が通知されます。

⑦利子補給金の支払

年2回、半年毎に利子補給金を支払います(金融機関が代理で請求・受領)。

日本政策金融公庫と制度融資、どちらが良いの?

創業融資の選択肢として、日本政策金融公庫と制度融資の2択があるとお伝えしました。
単に借入コストだけを見れば、利息が低く保証料も1/2で済む大田区の制度融資に軍配が上がります。

しかし、手間と時間という観点では、日本政策金融公庫の方が良いです。
制度融資だとどうしても関係する機関も多くなり、必要書類や面談・相談の回数も多くなってしまいます。

公庫の融資が申し込み後通常2~3週間程度で実行されるのに対し、制度融資の場合は2~3か月程度かかることも珍しくありません。

「時間はかかってもいいからとにかく安い条件で借りたい」という方は制度融資、
「楽で素早く借りられる方が良い」という方は日本政策金融公庫がオススメです。

融資希望額が大きい方は、公庫と制度融資の両方を利用するということも可能です。
これを「協調融資」といいます。

「そんなことしていいの?」と思われるかもしれませんが、全然大丈夫です。
むしろ、公庫は民間金融機関の補填の為にあるので、「協調融資」が本来的な使い方です。

創業期に公庫や民間金融機関(とくに信金など)から借入を行い返済実績を付けていけば、創業2~3年後、いざ事業を拡大するために資金が必要ということになったとしても、比較的スムーズにお金を借りることが可能です。

ぜひ、2~3年先のことを考えながら、戦略的に金融機関との関係づくりを進めることをオススメします。

まとめ

いかがだったでしょうか。
今回は、東京都大田区の創業融資について紹介しました。

ぜひ創業をお考えの方のご参考になれば幸いです。

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