こんにちは!
行政書士のオサカベです。

今回は、「創業融資は行政書士に頼むべき?」というテーマについて紹介します。
私自身が行政書士なのですが、ポジショントークと言われないようなるべく客観的な意見を述べてみます。
ぜひご参考になれば幸いです。

創業融資は行政書士に頼むべき?

そもそも何をやってくれるのか

創業融資を行政書士に頼むべきかどうかを話す前に、
まずは「そもそも何をやってくれるのか」について紹介しようと思います。

一般的に、行政書士が創業融資でサポートしてくれる内容は以下の通りです。

①申込金額や、申込む金融機関の検討(事務所による)
②創業計画書の作成(どこの事務所も行う)
③面談対策(事務所による)
④申込や入金時の事務手続きフォロー(事務所による)

メインとなるのは②の部分です。
創業融資を申し込む際には、事業計画書(創業計画書)が必要になります。
また、事業計画書の補足資料として、月次の収支計画や売上の積算根拠、資金繰り表といった資料も必要になります。

こうした資料を作るのがメインの業務内容となります。

①、③、④をやってくれるかどうかは事務所によります。
対応していない事務所もあるので、相談時に確認した方が良いと思います。
(私の事務所では①から④まで全て対応しています。)

行政書士に頼んだ方が良い人

創業融資をプロに頼むことで、

  • 融資が採択されやすくなる
  • 融資の調達額が上がる
  • 計画書作成などの時間や手間が省ける

というメリットが挙げられます。
そのため、以下の人であればプロに頼むことで大きな恩恵を得られると思います。

借入希望額が大きい人

50万円、100万円といった少額ならまだしも、大きい額の借入が必要な場合、事業計画書も一定のクオリティが求められます。少なくとも損益や資金繰りの計画を作って返済財源を説得的に示さなければいけません。

また、借入額が大きくなると、日本政策金融公庫だけでは対応できず、民間金融機関との協調融資も必要になってきますので、そのあたりのノウハウを活用するためにもプロに頼むのがオススメです。

借入が難しい人

創業融資の審査においては、自己資金やこれまでの経験が重要視されます。
「お金も経験も豊富にある!」という方なら良いですが、どちらかが欠けている場合は審査においてマイナス材料となってしまいます。

そのため、自己資金や経験が足りない方は、その分説得的な事業計画書を作ってカバーしなければいけませんので、プロに頼むのがオススメです。

確実に融資が下りないといけない人

「なんとしても融資が下りないとまずい!!」という方も、下手に自分で申し込むよりプロに頼んだ方が良いです。専門家に頼むことで、融資が通りやすいような計画書を作ってくれたり、仮に希望条件で融資が難しくても「代わりにこの条件なら成功確率が上がる」といった提案をしてくれたりします。

時間がない人

創業時で忙しく、事業計画書作成に時間が取れないという方も、プロに頼んだ方が良いと思います。自分で金融機関の制度を調べつつ、慣れない事業計画書を書いて融資の必要書類を用意するのは時間がかかります。

行政書士に頼まなくても良い人

逆に、「自己資金・経験も申し分なく、必要額もそこまで多くなく、時間も余裕がある」という方は、行政書士に頼まずとも、自分でやってみても良いと思います。

誰が創業融資の専門家なのか

今回、「行政書士に頼むべきか」というテーマでお話していますが、
別に行政書士でなくとも創業融資を扱っている事務所はあります。
一般的に、創業融資を扱っているのは以下となります。

  • 行政書士
  • 税理士
  • 民間のコンサルタント

別に融資の場合、「〇〇士でないとダメ」というのはないです。
そのため、行政書士だろうが税理士だろうがコンサルタントだろうがどこに頼んでも大丈夫です。

しかし、行政書士や税理士、コンサルタントなら誰でも詳しいかというと、そういうわけではありません。
「創業融資に詳しいのか」、「実績はあるのか」ということは確認してください。

例えば行政書士の場合、仕事の幅がかなり広いです。
各種許認可、相続、契約書、融資補助金、など多くの仕事があるので、
それぞれの事務所ごとに「得意分野」を持っています。

行政書士事務所であっても、創業融資は得意としていない事務所も多いので、HP等で確認してみてください。

税理士事務所でも同じです。
税理士の場合は、バックエンドの税務顧問契約を取るのが目的で創業融資をアピールしている事務所が多いです。(既に税理士が付いている会社に入るよりも、創業期に入った方が仕事は取りやすいからですね。)

そのため、「創業融資」を掲げているからといって、別に融資に詳しいとは限りませんので、そのあたりは面談等で見極めが必要です。

創業融資をプロに頼むときの報酬相場

創業融資をプロに頼むときの報酬相場は、調達額の3~5%が通常です。
というより、出資法で融資の報酬は5%までと定められているので、士業事務所の大半は5%の成功報酬でやっていると思います。(悪質なコンサル会社では、平気で20%とか30%で請求してくるところもあるので、気を付けてください。)

その他、サービス内容や条件によっては、3%といった低額のところもあります。
税理士事務所の場合、顧問契約をすることを条件に、創業融資の報酬が安いというところもあります。

選ぶ際の基準

最後に、専門家を選ぶ際の基準について紹介します。

創業融資に詳しいか

当たり前のことですが、「創業融資に詳しいかどうか」は確認してください。
先ほど述べた通り、「行政書士ならOK」、「税理士なら融資に詳しい」ということはありません。あくまでも事務所によります。HPや面談などで、専門分野やこれまでの実績について確認してみてください。

中には、「日本政策金融公庫の創業融資しか対応していない」という事務所も多いです。
創業時の資金調達方法としては、制度融資をはじめ公庫以外の方法もあるので、創業者の状況を見ながら最適な方法を提案してくれるかどうかもチェックしてみてください。

事業計画書や資金繰り表を一緒に作ってくれるか

これは個人的な意見ですが、すごく大事だと思っています。
キーワードは、「一緒に」というところです。

創業融資を支援している事務所の中には、「簡単なヒアリングのみであとは丸投げでOK!」というところもあります。どちらかというと薄利多売の戦法を取っているところです。

仮にどんなにクオリティの高い計画書であっても、創業者の意思が入っておらず、実態とそぐわないものであれば、何の意味もありません。

確かに見かけ上良ければ融資は通るかもしれませんが、融資の為だけの事業計画に何の意味がありますか?

単に融資を受けるだけでなく、事業を軌道に乗せ、成長させていきたいなら、創業者が事業計画書作りに関与しなければ絶対にいけないと私は思っています。

そのため、「創業者の意見を基に一緒に作ってくれるかどうか」は選ぶ際の基準にした方が良いと思います。

計画書の読み方や中身について教えてくれるか

創業融資の審査では、面談が行われます。
面談では、事業計画書に書いてある「売上根拠」や「収支計画」について質問されます。

このときに印象が最悪なのが、「事業計画書のクオリティは高いものの、社長に聞いても全く分かっていない」というケースです。

「第三者に丸投げしたな」というのがモロにバレますので、印象が最悪です。
仮に事業計画書が完璧でも、それを実行する立場にある社長が事業計画書の中身を理解していなければ、単に計画のままで終わってしまいますよね。貸す側からすると、そんな社長にはお金は貸せません。

そのため、「収支計画や資金繰りについて、社長が理解できるよう教えてくれるか」という点は確認した方が良いです。でないと面談でボロが出るので本当に危険です。

まとめ

いかがだったでしょうか。
今回は、「創業融資は行政書士に頼むべき?」というテーマについて紹介させて頂きました。

ぜひ、創業融資を受ける際の参考になれば幸いです。

ただいま、創業者に役立つ小冊子を無料プレゼントしています。
ぜひダウンロード頂き、経営に役立てて頂ければと思います!

https://osagyousei.com/report01/
https://osagyousei.com/report01/