こんにちは!
行政書士のオサカベです。
今回は、東京都中央区で創業融資を受ける方法について紹介させて頂きます。
中央区で開業される方には役に立つ内容ですので、ぜひご参考になれば幸いです。
中央区で創業融資を受ける際の選択肢
東京都中央区で創業融資を受ける際の選択肢としては、以下2つがあります。
- 日本政策金融公庫から融資を受ける
- 中央区の制度融資を利用する
それぞれ詳しく説明していきます。
日本政策金融公庫とは?
日本政策金融公庫とは、政府が100%出資する、政府系金融機関のことです。
民間の金融機関を補填する役割を担っており、創業者に対しても積極的に融資を行っています。
創業融資を受ける方の95%が日本政策金融公庫を利用していると言われており、融資を検討する際にまず候補に挙がるのが日本政策金融公庫です。
日本政策金融公庫は全国に152支店あり、お近くの支店に申し込むことになります。
中央区で創業する場合、東京中央支店が管轄となります。
制度融資とは?
制度融資とは、地方自治体が独自に行っている融資制度のことです。
日本政策金融公庫が国の機関だったのに対し、制度融資は地方自治体によって運営されているという点が異なります。
制度融資を利用する際には、創業者は地方自治体から直接お金を借りるわけではありません。あくまでも、借りる先は民間の金融機関になります。
制度融資を利用することで、金融機関や保証協会に支払う利息や保証料の一部を自治体が補助してくれるので、間接的に創業者が融資を受けやすくなります。
制度融資の仕組みや借入条件は、地方自治体ごとに異なりますので、ここからは中央区の制度融資について紹介させて頂きます。
中央区の制度融資
ここからは、中央区の制度融資(創造支援資金融資)について紹介させて頂きます。
中央区商工業融資の概要 中央区ホームページ (chuo.lg.jp)
借入条件
中央区の制度融資の借入条件は以下の通りです。
融資限度額 | 1,500万円(創業前は自己資金の範囲内で必要額の1/2) |
金利(年率) | 本人負担0.3% |
借入期間 | 7年以内(据置6か月間以内) |
保証料補助 | 3分の2 |
特徴は何といっても、金利が安いことです。
もともと1.8%の金利に対して、うち1.5%は中央区が代わりに負担してくれるので、創業者の本人負担は0.3%で済みます。
また、民間の金融機関から創業時に借入する際には、信用保証協会へ保証料を支払う必要がありますが、保証料(通常1%前後)も3分の2は中央区が補助してくれます。
つまり、金利と保証料を合わせても、0.6%前後で借入ができるので、資金調達にかかるコストを抑えることができます。
日本政策金融公庫から融資を受ける際には、2~3%台の金利がかかりますので、それと比較してもかなり安いということが分かります。
制度融資の利用対象者
中央区の制度融資の利用対象者は以下の通りです。
- 事業を営んでいない個人で、中央区内で創業する者(創業予定の場合は、融資と同額以上の自己資金があり、融資実行日から1か月以内に個人で、又は2か月以内に法人で創業すること)。
- 中央区内で創業して1年未満の者
他にも、分社化や事業転換の際にも使えます。
(細かい要件はこちらをご覧ください。)
制度融資の利用の流れ
制度融資を利用する際は以下の流れで進みます。
①金融機関との相談
まずは金融機関との事前相談を行っておくとスムーズに進みます。
制度融資を取り扱っている金融機関はこちらの通りです。
②中央区の経営相談員との相談(複数回)
創業者自身で中央区役所7回の商工観光課相談融資担当に行き、中央区の経営相談員と相談を行います。相談では、事業計画書の内容についてブラッシュアップが行われます。初回に相談した相談員の方と、2回目以降も相談を行います。場合によっては、相談員の方が事務所を訪問することもあります。
③あっせん書交付
経営相談員との相談が複数回終わったら、あっせん書が交付されます。
あっせん書とは、「中央区が金融機関に対し創業者を紹介する」というもので、これがないと制度融資が利用できません。
④金融機関への申込
あっせん書を持って、金融機関に融資の申込を行います。
⑤融資審査
金融機関と信用保証協会の双方から融資審査を受けます。
創業の場合、保証協会の担当者が事業所に来て、現地で面談を行うことが一般的です。
⑥融資の決定&実行
審査の結果融資が決まれば、金融機関と契約を結び、晴れて融資実行となります。
日本政策金融公庫と中央区制度融資どちらが良い?
ここまで読んで頂いた方は、「日本政策金融公庫よりも制度融資の方が良いじゃん!」と思うかもしれませんが、一概にはいえません。
確かに、融資条件だけを見れば制度融資の方が優れています。
金融コストも大きく違います。
ただ、制度融資には致命的な弱点があり、「手間と時間がかかる」という点です。
制度融資を利用するには、融資申し込み前に何度も区役所に足を運んで経営相談員の方と面談をしなければいけませんし、融資を申し込んだ後も金融機関と保証協会の双方から審査を受けるのでどうしても時間がかかります。通常、相談から入金まで3か月程度かかることも少なくありません。
これに対し、日本政策金融公庫であれば、申し込みから入金まで3~4週間程度で済みます。
制度融資と比べると多少金利は高いものの、それでもスピーディーに融資が受けられるのは魅力的です。
制度融資と日本政策金融公庫、どちらを利用するべきか迷った際の一つの判断材料としては、
・手間や時間がかかってもいいのでとにかくコストを抑えたいという方
→制度融資を利用するのがオススメ
・多少高くてもいいので手間や時間を抑えたいという方
→日本政策金融公庫を利用するのがオススメ
といった選び方をするとよいと思います。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は、東京都中央区で創業融資を受ける方法について紹介させて頂きました。
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ぜひお気軽にダウンロード頂き、経営に役立てて頂ければと思います!