こんにちは!
行政書士のオサカベです。
今回は、「今さら聞けない融資・補助金・助成金の違い」というテーマについて紹介していきます。
借りるお金と貰うお金
融資・補助金・助成金はどれも資金調達の方法という点では同じですが、
「借りるお金か貰うお金か」という点で大きく2つに分けられます。
・融資
借りるお金
・補助金、助成金
貰うお金
融資とは
融資というのは、金融機関や政府系の機関からお金を借りることをいいます。
借りたお金は、原則として利息を付けて返さないといけません。
会計上の動きも、借りたお金は貸借対照表(BS)上の負債に計上されます。
補助金・助成金とは
これに対し、補助金や助成金は返済不要のお金です。
税金や社会保険料を財源として、国が特定の事業者にお金を渡しているのが補助金・助成金です。
会計上の動きは、融資と異なり、損益計算書(PL)上の収益として計上されます。
国から(原則)返済不要のお金が貰えるという何ともありがたい制度ですよね。
ただ、税金が財源になっている以上、本来貰うべきではない人や悪い人のところに補助金や助成金が渡ってしまってはいけないですよね。
そのため、補助金や助成金は要件が厳しく定められており、
特に補助金については事業計画書を作成して、一定の審査が設けられているのです。
補助金と助成金は何が違う?
補助金と助成金は、管轄する国の機関も違っており、似ていますが異なる制度です。
違いとしては以下が挙げられます。
管轄機関
補助金
経済産業省や地方公共団体
助成金
厚生労働省
財源
補助金
税金
助成金
雇用保険料
目的
補助金
国が推し進めたい政策(賃上げ・グリーン化・DX・創業促進等)を加速させるため
助成金
雇用促進・維持や従業員の労働環境の改善のため
需給のハードル
補助金
事業計画書が採点されて、点数の高い事業者から予算を割り当てられる
助成金
受給要件を満たしていれば原則受給可能
このように、補助金と助成金は、制度が作られている背景・目的や管轄省庁が違うので、微妙に異なる制度趣旨となっています。
※なお、「補助金・助成金」という言葉は、実際問題そこまで現実に区別されているかといわれると、そうではありません。
例えば公社(東京都中小企業振興公社)が実施している助成金は、中身は「補助金」ですが、呼び名としては「助成金」と言われています。
給付金との違い
また、これも厳格な言葉の意味があるわけでもありませんが、「給付金」についても述べておきます。
給付金とは、「行政が発行する、申請すれば誰でも貰える性質のお金」という意味で使われています。
目的としては、コロナウイルスなどの外的要因によって困窮する事業者や個人を救う為に実施されるものです。補助金よりも要件が緩く、事業計画書の作成もなければ、資金の使い道の制限もありません。このような性格なので、平時で実施されることはありません。
コロナ禍ピークの2020年、2021年は、「〇〇給付金」、「〇〇支援金」、「〇〇協力金」といった名前で多くの給付金が出ました。
自分に合った制度の見つけ方
融資や補助金・助成金の制度は毎年無数に更新されており、全て知るのは到底不可能です。
そこで、自分に合った制度を見つける良い方法を紹介させて頂きます。
ミラサポPulsのホームページから検索する
制度を探す(制度ナビ)|経済産業省 中小企業庁 ミラサポPlus (mirasapo-plus.go.jp)
経済産業省・中小企業庁が運営している「ミラサポPuls」というサイトがあります。
このサイトには、国や地方公共団体が実施している融資・補助金・助成金・給付金といった制度情報が網羅されています。
キーワードで一括で検索できる機能があるので、何か使いたい補助金を探しているときはキーワード検索するのがオススメです。
例えば「飲食店」で検索すれば、飲食店で使える制度が沢山出てきますので、その中から自分に合った制度を見つけることができます。
我々のような専門家でも活用しているサイトなので、ぜひ使ってみてください。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は、「今さら聞けない融資・補助金・助成金の違い」というテーマについて紹介させて頂きました。
また、タイムリーな最新情報については、週1回配信のメールマガジンにて紹介していますので、ぜひそちらもご確認ください。
最後まで読んで頂きありがとうございました。