こんにちは!
行政書士のオサカベです。
今回は、バーチャルオフィスでの創業は融資を受ける際に不利になるのか?というテーマについて紹介させて頂きます。
近年、リモートワークの普及も相まって、わざわざ店舗や事務所を構えなくても起業ができる世の中になってきています。バーチャルオフィスを起業時に利用するという選択肢は一般的になっており、固定費を抑えてミニマムに起業するという意味でも有効です。
今回は、そんなバーチャルオフィスでの起業について、融資という観点から説明をさせて頂きます。
バーチャルオフィスは融資に不利になるのか?
結論
結論、バーチャルオフィスだからという理由だけで融資が受けられないということはありません。
しかし、実態を伴う事務所を持っている場合と比べて融資審査の面では不利になる場合が多いです。
そもそもバーチャルオフィスでは融資は受けられるのか?
バーチャルオフィスでも創業融資は受けられます。
創業融資では日本政策金融公庫から融資を受ける方法が一般的ですが、
日本政策金融公庫で融資を受ける場合、バーチャルオフィスだからといって融資が受けられないということはありません。
たとえバーチャルオフィスであったとしても、事業実態がきちんとあって、収支の計画も立てられるのであれば、問題なく借り入れは可能です。
日本政策金融公庫とは、政府が100%出資している国営の金融機関のことです。
民間の金融機関を補填する役割を担っており、創業者に対しても積極的に融資を行っています。
注意しなければいけないのが、地方自治体の制度融資を利用するときです。
創業者が民間の金融機関からお金を借りる際に、地方自治体が利息や保証料を補填することで、創業者が融資を受けやすいようにしている制度です。日本政策金融公庫と並んで、創業期に利用されやすい制度です。(詳細はこちらのページをご参照ください。)
地方自治体によっては、バーチャルオフィスで本店登記をしている会社に対しては制度融資を行わないというところもあります。
例えば東京都港区の制度融資は、いわゆる住所貸しだけのバーチャルオフィスは対象外です。 港区中小企業融資あっせん制度のご案内 - 港区立産業振興センター (minato-sansin.com)
そのため、「バーチャルオフィスでも融資は受けられるのか」という問いに対しては、
- 日本政策金融公庫の場合:受けられる
- 制度融資の場合:地方自治体による
ということになります。
融資審査において不利になるのか?
次に、融資審査の受けやすさについて解説します。
上述の通り、バーチャルオフィスだからといって融資が受けられないということは(日本政策金融公庫の場合)ありません。
しかし、融資審査上、多少ハードルは高くなると思います。
というのも、金融機関からすると、事業実態があるのかどうか分かりづらいからです。
お金を貸す側は、せっかく貸したお金が本来の事業に使われず、他の会社や個人に渡ってしまうことを何よりも嫌います。
バーチャルオフィスで登記していると、店舗や事務所を構えている場合と違って、どうしても事業実態が分かりづらいので、金融機関からすると貸したお金が事業資金に使われずに貸し倒れとなるリスクが高まります。
その分、事業実態をきちんと説明しないと、融資審査は不利になる場合が多いです。
バーチャルオフィスでも融資を受けるポイント
以上を踏まえて、バーチャルオフィスで登記をした会社が融資を受けやすくするためのポイントについて紹介していきます。
バーチャルオフィスであることを隠さない
先ほど述べたとおり、(日本政策金融公庫の場合)バーチャルオフィスであるからといって即融資がNGということはありません。変に隠そうとするとかえって怪しまれるので、こちらから言ってしまって大丈夫です。
最近はバーチャルオフィスでの起業も増えているので、特にIT系やコンサル業など、バーチャルオフィスでも正当性のあるビジネスであれば、理解して貰えます。
ホームページやパンフレットを持っていく
バーチャルオフィスで登記している場合、「事業実態がある」ということを特に意識して説明しなければいけません。ホームページやパンフレットがあれば積極的に金融機関に見せて、事業実態をアピールしておきましょう。
事業計画書のクオリティを高める
バーチャルオフィスで起業をする場合、どうしても信用面では店舗や事務所を持っている場合と比べて不利になるのは仕方ないと思います。
その分、事業計画書のクオリティを高めることが大事になります。
- 経営者の人柄
- これまでの経歴
- ビジネスモデルやマーケティング戦略
- 取引先
- 収支計画
こういったことを事業計画書でアピールして、信用面の評価を上げていくことが大切です。
口座開設に注意
バーチャルオフィスで融資を受ける際には、入金口座に注意しましょう。
日本政策金融公庫から融資を受けるときは、民間の金融機関(信金・信組など)の口座が必要になります。
この時に、「バーチャルオフィスであるがゆえに口座が作れない」ということで、融資は受けられても肝心の入金口座が用意できず、融資が保留になってしまうことも少なくありません。
バーチャルオフィスである以上、事業実態があるかどうかが分かりづらいので、口座を作るハードルは高くなります。金融機関によっては、バーチャルオフィスであれば口座開設は本店判断になるためハードルが高いというところもあります。
せっかく融資を受けられても入金口座がない、ということになってしまっては仕方ないので、事前に金融機関に相談したり、口座開設時にホームページやパンフレットなど事業実態を示す資料を用意したりするなど、あらかじめ対策するようにしておきましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は、バーチャルオフィスでの創業は融資を受ける際に不利になるのかというテーマについて紹介させて頂きました。
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