こんにちは!
行政書士の越阪部です。
今回は、補助金の落とし穴というテーマを紹介させて頂きます。
補助金はうまく活用できれば事業を加速させる起爆剤になりますが、
この記事ではあえてデメリットや注意点について紹介していきます。
補助金は良い面ばかりではないので、
何となく申請して、後から困ったという話も良く聞きます。
事業者様には、悪い面も含めしっかりと知っておいて頂きたいです。
補助金とは?
補助金とは、国や地方自治体から貰える返済不要なお金です。
政府は、政策に基づいて毎年一定の事業者に補助金を交付しています。
補助金を出すことによって、
国の政策を加速させるというのが狙いですね。
今ですと、
- 小規模事業者持続化補助金
- ものづくり補助金
- 事業再構築補助金
といった補助金が有名です。
特に「事業再構築補助金」は補助額も大きいことから、
コロナで売上が減少した事業者に多く使われています。
そんな便利な補助金ですが、
いくつか注意点もあるので、説明していきます。
補助金のデメリット
原則として後払い
補助金は原則として後払いです。
補助金を貰うには、いったん経費の全額を自分で支払ってから、
後日補助金を貰うという形になります。
補助金の種類にもよりますが、
申請してから1年後くらいに入金ということもザラですので、
入金タイミングには気を付けなければいけません。
特に事業再構築補助金やものづくり補助金など、
補助額の大きいものは、最初に数千万円単位での出費が必要になる場合もあります。
当然、補助金が入ってくるまでの資金繰りは悪化しますし、
その分の資金調達が必要になるケースもあります。
「補助金が入金されてから物を購入する!」ということは、
残念ながら制度上できないので、注意が必要です。
申請が面倒
補助金を貰うには、膨大な申請書類が必要です。
特にその中でもメインとなるのが、「事業計画書」です。
- これまでどんな経営を行ってきたのか
- どんな経営課題があるのか
- 補助金を使ってどのような事業をするのか
- それによりどんな効果が出るのか
といったことを事業計画書に落とし込んで説明しなければいけません。
事業計画書は、補助金の種類にもよりますが、おおむねA4用紙8~15枚程度です。
忙しい事業者にとっては相当な負担です。
採択されないこともある
補助金は申請して必ず貰えるものではありません。
申請時に添付した事業計画書は、補助金事務局によって採点されます。
そして、事業計画書の点数が高い事業者が補助金に採択(合格)されます。
そのため、せっかく長時間かけて事業計画書を書いたのに、
審査の結果不採択だったということもありえます。
お金の使うタイミングに制限がある
補助金で使える経費には制限があります。
例えばお金を使うタイミングです。
補助金は、「事業実施期間」という期間があります。
通常は採択・交付決定後6カ月~1年程度の期間が設けられ、
その期間の間に経費を使う(広告を打ったり設備を導入したりする)ことがルールです。
そのため、「もっと早く導入したいんだけど・・・」とか
「もうすでに経費を使ってしまったんだけど・・・」といった場合でも、
残念ながら事業実施期間中の出費しか認められません。
事業を行う上で、スピードやタイミングは命なので、
正直ここは使い勝手が悪いポイントですね。
お金の使い道に制限がある
経費の制限の2つ目として、「使い道」にも制限があります。
例えば、PCやカメラ等、汎用性の高い経費は補助対象外となる場合が多いです。
また、一度採択されてしまうと、
「やっぱり別の事業をやりたい」、「別の設備を購入したい」と思っても、
補助対象外となってしまう場合もあります。
ケースによっては、事務局と相談しながら柔軟に進めることもありますが、
基本的には申請書で書いたとおりに経費を使わなければいけません。
実際に事業をしていれば、
1週間前と計画が全然異なるなんてことはザラにありますが、
そういったことに柔軟に対応できないのがネックです。
事後報告が必要
補助金は貰って終わりではありません。
入金後の結果報告(どんな効果が出たか)が必要なものもあります。
大型の補助金ですと、事業実施後5年間に渡って報告が必要なものもあります。
相見積もりなど、独特のルールがある
申請の際に、補助金によっては独特のルールがあるものも多いです。
例えば設備を購入する際に、2~3社の相見積もりが必要なルールもよくあります。
実際の現場では、購入元は知人の会社等ですでに決まっているケースなんかも多いと思いますが、
そういう場合であっても相見積もりを取らなければ経費として認められないので、特有の面倒さはあります。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は、補助金のデメリットについて紹介させて頂きました。
「補助金ってめんどくさい」と思われたかもしれません。
実際その通りですが、しかし、うまく活用できれば恩恵は大きいです。
本当に必要な事業に補助金を使うことができれば、
必要経費を1/2~1/3まで抑えることができるので、これほどありがたいものはありません。
ぜひ、補助金のマイナス面も理解した上で、
「本当にやりたい事業」に補助金を活用して頂ければと思います。
これから補助金を使おうとぼんやり考えている方にとって、
この記事が少しでも参考になれば幸いです。
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