こんにちは!
行政書士のオサカベです。

今回は、東京都が実施している創業助成金について紹介していきます。
これから都内で創業しようとしている方や、都内で事業を始めて5年未満の方は、等助成金が使えるかもしれないので、ぜひご確認ください。

公式HPはコチラ

創業助成金とは?

東京都の中小企業振興公社という期間が実施している助成金です。
都内の開業率を高めることが目的で、「事業計画」を作って創業した事業者に対して、創業初期に必要な経費(賃借料、広告費、従業員人件費等)の一部について助成が行われます。

助成金額

交付決定日から2年が経過する日までの間に生ずる経費が補助対象です。
助成限度額は100~300万円と、創業者にとってはかなり手厚い補助ですよね。

なお、助成率は2/3となっています。
つまり、創業してから助成対象経費として450万円の経費を使えば、
その2/3である300万円が東京都から補助されることになります。

450万円の経費を使っても、実費負担が150万円で済むという夢のような制度です。

採択率

創業助成金 採択率

創業助成金は、採択者数が毎年150名前後なのに対し、申請者が1,000人を超えており、採択率は15%前後とかなり低い助成金です。

7人申請して1人採択されるくらいの割合ですので、簡単ではないということが分かります。さらに、毎年申請者は増加傾向にあるので、今後はもっと採択率が低くなってしまう可能性があります。

注意点

よくある注意点として、「助成金は後払い」であるということに注意して下さい。
よく私のところにも「創業助成金を貰って開業資金としたい」という相談が来ますが、残念ながら不可能です。

あくまでも助成金なので、実際に費用を使った後にしかお金は貰えません。
そのため、まずは実費で立て替えて出費をしなければいけませんのでご注意ください。

申請要件

本助成金は、都内で創業予定または創業してから5年未満の方が使えますが、それ以外にもいくつか要件があります。

この要件が多くて複雑なのですが、紹介していきます。
①~⑲のうち、どれか1つを満たせば大丈夫です。

① 事業計画作成 

公益財団法人東京都中小企業振興公社(以下「公社」という。)が実施する、TOKYO創業ステーション「プランコンサルティング」による事業計画書策定支援を終了し、過去3か年の期間内にその証明を受けた方(要件を満たすために、概ね3か月程度の時間が必要となります。)

② 事業計画作成 

公社(多摩支社)が実施する、「多摩ものづくり創業プログラム」を受講後、同支社実施の「プランコンサルティング」による事業計画書策定支援を終了し、過去3か年の期間内にその証明を受けた方

※現在募集を行っておりません。

③ 事業評価

公社が実施する、「事業可能性評価事業」において、当年度、またはその前年度以前の過去3か年度の期間内に「事業の可能性あり」と評価され、継続的支援を受けている方

④ 事業計画作成 

公社が実施する、「進め! 若手商人育成事業」における「商店街開業プログラム(商店街起業促進サポート)」を当年度、または前年度以前の過去3か年度の期間内に、受講修了した方

⑤ 施設入居

東京都・公社が設置した創業支援施設に入居している方、または以前に入居していた方。
なお、該当施設は下記のとおりです。

◇ 東京都が設置した施設

・東京コンテンツインキュベーションセンター
・青山スタートアップアクセラレーションセンター
・東京ライフサイエンスインキュベーションセンター(※現在、募集を行っておりません。)

◇ 公社が設置した施設

・インキュベーションオフィスTAMA、白鬚西R&Dセンター
・ソーシャルインキュベーションオフィスSUMIDA(※現在、募集を行っておりません。)
・ベンチャーKANDA、タイム24(※現在、募集を行っておりません。)

⑥ 施設入居

東京都インキュベーション施設運営計画認定事業の認定を受けた認定インキュベーション施設に、認定後(新設施設は運営開始後)6か月以上継続して入居し、申請する事業内容に関する個別具体的支援を、インキュベーションマネージャーから入居期間中に継続して受けている方、または以前に受けていた方

⑦ 施設入居          

独立行政法人中小企業基盤整備機構、都内区市町村、地方銀行、信用金庫、信用組合、国公立大学、私立大学が設置(左記以外の主体との共同設置の場合、左記の主体が発行済み株式総数または出資総額の3分の2以上を所有または出資していること。)した都内所在の創業支援施設と、1年間以上の賃貸借契約を締結して入居している方、または過去3か年の期間内に入居していた方。

⑧ その他              

青山スタートアップアクセラレーションセンターにおいてアクセラレーションプログラムを受講している方、または以前に受講していた方

⑨ その他              

創薬・医療系ベンチャー育成支援プログラムの選抜プログラムを受講修了した方

⑩ 事業評価          

東京都が実施する「TOKYO STARTUP GATEWAY」において、前年度以前の過去3か年度の期間内にセミファイナリストまで進んだ方

⑪ その他              

東京都が実施する「東京都女性ベンチャー成長促進事業(APT Women)」において、国内プログラム(アクセラレーションプログラム)を受講している者又は以前に受講していた方

⑫ 資金調達          

東京都が実施する「女性・若者・シニア創業サポート事業」において、取扱金融機関から当該事業に係る融資を受け、その証明を受けた方

⑬ 資金調達          

東京都中小企業制度融資(創業融資)を利用している方

⑭ 資金調達          

都内区市町村が実施する中小企業制度融資のうち、創業者を対象とした東京信用保証協会の保証付き制度融資を利用している方

⑮ 資金調達          

東京都が出資するベンチャー企業向けファンドからの出資等を受けている方

⑯ 資金調達          

政策金融機関の資本性劣後ローン(創業)を利用している方

割賦返済ではなく返済期限到来時の一括返済であること、等の特徴があります。

⑰ その他              

産業競争力強化法に規定する認定特定創業支援事業により支援を受け、過去3か年の期間内に都内区市町村長の証明を受けた方

都内区市町村

※産業競争力強化法に規定する認定特定創業支援事業として実施している支援事業の内容は、各区市町村にお問い合わせください。

⑱ その他              

下記の機関より認定特定創業支援事業に準ずる支援を受け、過去3か年の期間内にその証明を受けた方

◇ 東京商工会議所
◇ 東京信用保証協会
◇ 東京都商工会連合会
◇ 中小企業大学校東京校BusiNest

⑲その他                

東京都が実施する「高校生起業家養成プログラム」において、過去3か年度の期間内に「養成講座」を修了した方

・・・要件が沢山あって分かりづらいですよね。
実際には、以下の利用によって応募資格を得るのが現実的かと思います。

オススメの要件

① 事業計画作成 

公益財団法人東京都中小企業振興公社(以下「公社」という。)が実施する、TOKYO創業ステーション「プランコンサルティング」による事業計画書策定支援を終了し、過去3か年の期間内にその証明を受けた方(要件を満たすために、概ね3か月程度の時間が必要となります。)

→TOKYO創業ステーションという創業施設に3か月程度通って、施設の専門家の方の指導を受けながら事業計画を作成します。計画が完成したら「認定証」が貰えるので、本助成金の応募資格を得ることができます。

⑬⑭ 資金調達     

・東京都中小企業制度融資(創業融資)を利用している方

・都内区市町村が実施する中小企業制度融資のうち、創業者を対象とした東京信用保証協会の保証付き制度融資を利用している方

→創業時に東京都や都内市区町村の制度融資を利用することで、応募資格が得られます。創業融資を受ける際に、公庫ではなく(または公庫と併用して)民間金融機関から制度融資を受ければ条件を満たすので、一番手っ取り早い方法だと思います。

※制度融資についてはコチラの記事をご確認ください。

⑰ その他

産業競争力強化法に規定する認定特定創業支援事業により支援を受け、過去3か年の期間内に都内区市町村長の証明を受けた方

→市区町村等がやっている起業スクール等に通って証明書を貰うことで、応募資格を得られます。認定特定創業支援事業の証明を受ければ、創業融資の条件も優遇されることがありますので、タイミングさえ合えばおすすめです。

※ご参考までに、私の事務所のある目黒区はこのような事業をやっています。

助成対象経費

賃借料助成事業の遂行に必要な都内の不動産(事務所、店舗、駐車場等)の賃借料や共益費、都内の事務所・店舗等で使用する器具備品等のリース・レンタル料。
広告費自社で行う販路開拓や顧客獲得を目的とした広報活動のうち、広告掲載、パンフレット等の作成、展示会出展、ホームページ作成、試供品・見本品作成等に関する経費。
器具備品購入費都内の事務所・店舗等に設置・利用する、創業初期に必要な机、PC、コピー機、エアコン等、単体で機能を果たす器具備品の購入費
産業財産権出願・導入費助成事業の遂行に必要な商品・製品・サービスに関する国内外の特許権、実用新案権、意匠権、商標権の出願、他の事業者からの譲渡、または実施許諾に関する経費
専門家指導費創業当初の事業遂行に必要な知見・対応方法等に関し、外部専門家等に相談して助言・指導を受ける際、手数料として支払われる経費
従業員人件費助成事業者と直接雇用契約を締結した従業員に対する給与及びパート・アルバイト従業員に対する賃金。

他の補助金・助成金よりも使える経費の幅が広いのが特徴です。
PCが購入できたり、賃借料や人件費に助成が出たり、専門家指導費が使えたりするなど、かなり経費の幅は広いです。

事業計画書

創業助成金の審査にあたっては、事業計画を作成する必要があります。

事業計画書は所定のフォーマットがあり、

  • 商品サービスの特徴
  • 創業のきっかけ、ビジョン
  • 強み弱み
  • マーケティング戦略
  • 集客戦略
  • 助成金の活用方法
  • 資金繰り計画

といったことを示す必要があります。
損益計画ではなく資金繰り計画を示すところが面白いですね。

審査のポイント

創業助成金は書類審査と面接審査の両方が行われます。
審査にあたって、注目されるポイントは以下の通りです。

製品・商品・サービス内容の完成度

・具体的な内容、適切な価格設定、実施する時期や場所等について説明できているか

問題意識・潜在力の明確さ

・創業によって解決可能な社会問題、経営理念、ビジョンが明確になっているか
・事業に活かせる自分の強み・弱みと、その補強方法が明確になっているか

対象市場に対する理解度・適応性

・想定顧客が明確になっているか
・対象市場の規模、特徴、成長性を的確に把握しているか
・競合他社との差別化、優位性が明確になっているか

事業の実現性

・収益獲得の仕組みが適正であるか
・製品・商品・サービスの製造・調達ルートが的確に設定されているか
・販売戦略が的確であるか
・想定されるリスクとその回避方法が検討されているか

助成金の活用方法の有効性

・事業への助成金の活用方法が事業の拡充等に効果的であるか

スケジュール・経営見通しの妥当性

・経営計画・経営見通しが実現の見込める内容であるか

資金調達の妥当性

・助成対象期間中に必要な資金調達が見込めるか
・助成金の交付が無い場合でも、事業継続が可能な収支計画であるか

申請経費の妥当性

・事業計画に必要な経費が計上され、販売計画や収支計画と連動しているか

募集期間

年間2回(4月と10月)に募集しています。
R4年度の募集はもう終了したので、次回はR5年度の4月の予定です。

まとめ

いかがだったでしょうか。
今回は、東京都で起業する方が使える創業助成金について紹介させて頂きました。

採択率は低めではありますが、助成額が大きく、使える経費の幅もかなり広いので、採択されればかなり事業が楽になりますね。

ぜひこの機会にトライしてみてください。

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