こんにちは!
行政書士のオサカベです。


今回は、創業融資を成功させるための事業計画書のコツ3選というテーマについて紹介していきます。

創業融資の成功確率を左右するのが事業計画書ですが、金融機関が納得してくれるような事業計画書を書くためにはいくつかポイントがあります。

この記事では、そのポイントのうち特に大切な3つに絞って解説していきます。

1.月次損益計画をつくる

事業計画書では、軌道に乗る前と乗った後それぞれの損益計画を示す必要があります。この時に、根拠のない数字を何となく並べても意味がありません。

適当に「来期の年商は〇〇円で、利益は××円くらい!」みたいな決め方をしても納得して貰えません。説得力のある事業計画書を書く時のポイントは、「分解して考える」ということです。

例えば年間の損益を算出するためには、月次の損益計画に落とし込んで考える必要があります。毎月の売上予測と費用の予測を積み上げていって初めて年間の損益計画が出来上がるのです。

各種書式ダウンロード|国民生活事業|日本政策金融公庫 (jfc.go.jp)

上記は日本政策金融公庫のHPからダウンロードできる損益計画書です。

創業者の為にかなり簡素化されているフォーマットですが、最低限このくらいのレベルで良いので月次損益計画を立て、月次の損益計画をベースに年間の収益を算出するようにしましょう。これだけでも、何の根拠もなく立てた年間の収益計画より、はるかに説得力を持ちます。

また、積算で算出された利益については、業界平均と相違がないかについても確認しましょう。公庫のHPでは業種ごとの経営指標の統計データが纏められています。

このデータから大きく外れた値だと、なぜ業界平均よりも高い/低いのかについて面談で深堀される可能性もありますので、参考として確認しておくようにしてください。

2.売上は積算で計算する

月次損益計画を立てる上で、毎月の売上予測が必要です。
このときに、「なんとなく100万円!」とか「とりあえず前月比+10%UP」といった決め方は厳禁です。

売上予測を立てるときの原則も先ほどと同様、細かく分解して積算をすることです。

例えば、飲食店の場合では、「売上高=客単価×席数×回転数×営業日数」という式で表されます。

このような予測の立て方であれば、なんとなく決めるよりも精度が高くなります。客単価はある程度予想できますし、席数・営業日数に至っては既に分かる情報です。回転数も、業界平均等を参考にすればある程度近しいところまでは想像できます。

また、これに加え、昼・夜で分けて考えたり、平日と土日祝日で分けて考えたりすることで、より精度の高い売上予測を立てることができます。

各種書式ダウンロード|国民生活事業|日本政策金融公庫 (jfc.go.jp)

参考までに、上記が日本政策金融公庫の資料の記載例ですが、

売上は曜日ごとに昼・夜それぞれの客単価×席数×回転数×営業日数で求めています。

例えば飲食店の場合、昼と夜で客単価は異なりますし、月曜日と金曜日では回転率も違います。また、12月は忘年会需要が多いなど、月ごとに売上を左右する外部要因も多いです。

このように、色々な要因を加味して積算を行った結果として、月次の予測売上を計算するようにしましょう。

3.資金繰り表をつくる

資金繰り表とは、毎月の現預金の動きを表した表のことです。

ちょっと難しい話ですが、会計上の損益と実際の現金の動きは異なります。

例えば銀行の元金返済は、損益には現れませんが(元金返済は費用計上されません)、実際に手元のお金は減っていくことになります。

そのため、たとえ利益が出ていても、

「利益<元金返済」であれば、会社のお金は毎月減っていき、

黒字なのに資金ショートで倒産してしまう、ということにもなりかねません。

他にも、

  • 掛け取引
  • 棚卸資産
  • 減価償却費
  • 保険の資産計上

などにより、損益と現金の動きは一致しないものです。

いくら損益だけを見ていても、気づいたら手元のお金が無くなっているということになりかねません。(実際、創業期に急成長した会社が黒字倒産するという例は多いです。)

そうならないよう、資金繰り表を作って、返済財源があることを金融機関にアピールすることが重要です。(↓日本政策金融公庫の資金繰り表の例)

各種書式ダウンロード|国民生活事業|日本政策金融公庫 (jfc.go.jp)

資金繰り表は、何も融資を受ける為だけでなく、日々の経営の中でも重要です。
キャッシュベースで考える癖をつけておかないと、黒字なのに毎月お金が減っていくということにもなりかねませんし、最悪の場合、気が付いたら資金ショートしていたということもあり得ます。

逆に、日ごろから資金繰り表を付けておくことで、毎月いくらの売上を出したら損益ではなくキャッシュフロー上プラスになるのかといったことや、役員報酬を〇〇円まで上げたいときは、売上ベースでどのくらい確保しなければいけないのか、といったことが分かるようになり、経営上プラスにもなります。

まとめ

いかがだったでしょうか。
今回は、創業融資を成功させるための事業計画書のコツ3選というテーマについて紹介させて頂きました。

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https://osagyousei.com/report01/
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