こんにちは!
行政書士のオサカベです。

今回は、起業する際に知っておきたい!個人事業と法人の違いというテーマについて紹介させて頂きます。

個人事業と法人の違い

起業するときには、

  • 個人事業主
  • 法人

のどちらで進めるかを選ばなければいけません。
そこで、個人と法人の違いを表に纏めましたので紹介させて頂きます。

 個人法人(株式会社の場合)
創業手続き開業届を出すだけ法人登記が必要
設立費用なし法定費用24万円前後
信用度比較的低い比較的に信用されやすい
業種の制限自由定款に定めたもの
責任無限責任有限責任
経理作業・税務申告比較的簡単で自分でも可能難易度が上がり税理士に頼まないと難しい
社会保険国民健康保険・国民年金社会保険に加入
事業主の報酬事業利益=事業主の報酬役員報酬として経費計上
税金所得税(累進課税)法人税(一定税率)

それぞれ、説明していきます。

創業手続き

まず、創業手続きについてです。
個人事業の場合は、税務署に開業届けを出すだけで済みますので手続きが楽です。
法人の場合は、定款を作り、認証を受け、法人登記をする必要があるので、手続きが煩雑です。設立までの時間も3~4週間程度かかることも一般的です。

一人で会社設立の手続きを行うとなるとそれなりに大変なのですが、専門家(司法書士など)に頼むと、別途費用がかかります。(報酬相場:10万円程度)

設立費用

個人事業の場合は開業届を出すだけなので特に費用はかかりません。
これに対し法人の場合は、設立の際に印紙代や登録免許税などがかかりますので、24万円前後かかります。(株式会社の場合)

合同会社でも10万円前後の法定費用がかかりますので、法人だと設立時に一定の金額が必要になります。(専門家に頼む場合は、この法定費用+報酬が必要金額となります。)

信用度

信用度でいうと、一般的には法人>個人となります。
法人の場合、設立するまでに一定の登記手続きが必要で、登記簿謄本を見れば基本情報が分かるという点でも、社会的な信用があります。

業種の制限

個人事業の場合はどんな業種を行っていても原則として問題ありません。
これに対し法人の場合は、定款に定めた事業内容のみが対象となります。

定款とは会社の基本ルールを定めた書類で、設立時に作ることになります。
後に事業を変えたくなった場合は定款を変更すれば良いのですが、事業内容を変える場合は定款の変更登記をしなければいけないので、またそこで費用がかかります。

責任

個人事業の場合は無限責任ですが、法人は有限責任です。
無限責任とは、事業がうまく行かなくて潰すような場合でも、事業で負った負債については個人の全財産をもって弁済をしなければいけないということです。

これに対し有限責任とは、出資分のみを限度として責任を追えば良いという考え方です。
たとえば株式会社ABCという会社を作ってその会社の事業がうまく行かなかった場合、代表者個人としては、出資分(資本金として入れたお金)のみを失うだけで、個人の資産は守られるというものです。

※ただし、融資などは経営者保証(社長個人が法人の連帯保証人になること)が必要となるケースが多いので、結局個人資産で弁済が必要になるケースもあります。近年では経営者保証をなくす動きがかかっているものの、依然として経営者保証付きの融資はまだまだ一般的です。

経理作業・税務申告

経理作業や税務申告は、個人の方が楽です。
個人事業主であれば、青色申告する場合であっても経理ソフト等を使って比較的簡単に申告ができます。これに対し法人の場合はある程度の簿記の知識が必要になるので難易度は高めです。

税理士にお願いすると、毎月の顧問料(目安は3~5万円程度)と決算料金(目安は10万円~15万円程度)が発生します。毎月の記帳を自社で行って決算のみスポットで依頼するということも可能ですが、その場合でもスポットの料金がかかります。

社会保険

社会保険も差が出てきます。個人の場合は国民年金・国民健康保険に加入しますが法人の場合は役員でも厚生年金・健康保険に加入します。法人で社会保険に入ると、保険料は会社と個人で折半することになり、さらには将来貰える年金の額も増えます。

事業主の報酬

事業主の報酬の扱いも、個人と法人によって異なります。
個人事業の場合、事業利益がそのまま事業主の報酬となります。たとえば売上が100万円で経費が30万円だとすると、残った70万円が事業主の所得ということになります。

法人の場合は、役員報酬を毎年設定して、その額が報酬ということになります。
たとえば売上が100万円で経費(役員報酬を除く)が30万円だとしても、役員報酬を20万円にしていればその分が代表者個人の取り分です。残った50万円は法人の利益となります。

税金

支払う税金も個人と法人で変わってきます。
個人事業主の場合は所得税、法人の場合は法人税が課せられますが、税額の計算方法が異なります。

個人の所得税は累進課税といって、所得が増えれば増えるほど税率が高くなって支払う税金の額もその分多くなります。

法人税の場合は、一定の税率であるため、たくさん利益が出たとしても税率としては変わりません。

そのため、一定程度の所得を超えれば、個人より法人の方が税金面では安くなります。
具体的にいくらくらい利益が出れば法人の方が安くなるのかは代表の方の家族構成等の条件によるので一概には言えませんが、一般的には500~800万円前後の利益が出れば法人の方がコストメリットがあると言われています。

また、個人か法人かを選ぶうえで消費税を検討することも一つの判断基準となります。
消費税は2年前の売上が1,000万円を超えた場合に課税事業者となるというルールがあります。

設立して2期以内であればたとえどんなに売上が上がっても免税事業者で済むので、免税の期間を最大限にするならば、「個人で起業して3年目に法人化する」というテクニックで、4年間は免税事業者として事業を行うこともできます。

※インボイス制度の導入により、免税事業者でいることが不利になるケースもありますので、行う事業の内容や取引先との関係を考えて検討してください。

まとめ

いかがだったでしょうか?
今回は、個人事業と法人の違いという点について紹介させて頂きました。

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最後まで読んで頂きありがとうございました。