こんにちは!
行政書士の越阪部です。

今回は、「創業融資とは?」というテーマについて紹介していきます。

創業融資とは?

創業融資とは、文字通り、新しく事業を始める方や事業を始めて間もない方が受けられる融資のことです。

一般の融資と比べて、金利や保全の面で優遇があったり、
審査基準も定性面の評価が中心だったりと、創業者でもお金が借りやすいように作られている制度です。

創業には様々なお金が必要です。
事業に必要なお金は「設備資金」や「運転資金」に分けられます。

設備資金

設備を購入するために一時的に必要な資金
例)不動産、内装工事、機械等

運転資金

事業を継続するために継続的に必要な資金
例)仕入、家賃、人件費、広告宣伝費等

これらの「設備資金」と「運転資金」を自分の手元のお金(自己資金)だけで賄うのは大変なので、多くの方は「創業融資」を利用して創業することになります。

公的融資

多くの創業融資制度は、国や地方自治体が関与している「公的融資」です。

創業者はこれまでの実績がないため信用力が低く、民間金融機関による「民間融資」は受けにくいです。しかしそれでは創業者が資金調達できなくなってしまいますので、国や地方自治体が「公的融資」として、創業融資のメニューをいくつか用意しています。

公的融資の中でも代表的なものは、以下の2つです。

・日本政策金融公庫による融資
・地方自治体の制度融資

それぞれの違いについては、こちらの記事をご参考ください。

創業融資の特徴

創業融資の特徴としては、以下の特徴が挙げられます。

1.金融コストが安い
2.実績がなくても借りることができる

1.金融コストが安い

公的融資の制度を利用して創業融資を受ければ、比較的安い金融コストで借入することが可能です。
例えば日本政策金融公庫の「新創業融資制度」を使えば、利率は2.3~3.35%です。

また、市区町村の制度融資を使えば、利率0.2%といったことも珍しくありません。
(この場合、利息とは別に信用保証協会への保証料がかかりますが、それでも公庫よりも安いです。)

信用力の低い創業者であっても、創業融資の制度を使えば、比較的低コストで借入ができるので魅力的です。

2.実績がなくても借りることができる

通常の融資の場合は、これまでの実績を基に評価が行われることが多いです。
具体的には、決算書や試算表を提出し、これまでの経営状況の積み重ねや、直近の収益性を基に判断されます。

しかし創業者の場合はこういった定量面での評価ができないので、創業者の人柄や事業計画書の説得力など、定性面で評価が行われることになります。

このように、通常の融資とは異なる特殊な評価方法なので、創業融資制度を使えば実績のない創業者でも借り入れを行うことが可能になります。

創業融資は受けておくべき?

「なんとか自己資金だけで足りると思うんだけど・・・、創業融資は受けた方がいいのかな?」

という方は、迷わず創業融資を受けておくことをおすすめします
創業融資を受けるべき理由は2つあります。

1.創業期にはキャッシュは厚く持っておく方が良いから
2,金融機関への返済実績が作れるから

1.創業期にはキャッシュを厚く持っておく方が良い

一般的に、創業してから事業が黒字基調になるまでは半年~1年程度かかります。
それまでの間は赤字基調で毎月現金が減っていくか、良くて収支トントンということも少なくありません。

仮に、予定よりも軌道に乗るまでに時間がかかってしまった場合、創業時のキャッシュが薄いと、そこで資金が尽きてしまいます。

その時になって焦って融資を申し込んでも、ほとんどの金融機関は相手にしてくれません
その時には既に実績ができてしまっているため、これまでの業績が不振だと融資も受けられません。

そのため、「あと1年耐えれば軌道に乗ってうまく行くのに・・・」と悔しい思いを抱いたまま、資金不足で事業を畳まないといけなくなってしまいます。

創業時に多めにキャッシュを持っておいて、軌道に乗るまでの期間を耐えられるような体力をつけておくのが大切です。

2.金融機関への返済実績が作れる

2つ目の理由は、「金融機関への返済実績が作れる」という点です。

金融機関は「取引実績」を大事にします。まったく取引のない金融機関よりも、一度借入して返済実績のある金融機関の方がお金は借りやすいです。

公庫であっても民間の金融機関であっても同様で、少額でも良いので返済の実績があれば、今後事業拡大を行うときに融資が受けやすくなります。

例えば、創業して5年後に新事業を行う為に多額の資金が必要になったとして、その時に金融機関に駆け込んで「2,000万円貸してください」と言っても、金融機関との取引実績が無ければ警戒されてしまいます。

仮に経営状況が良くても、「いきなり2,000万円は多いので、まずは1,000万円なら・・」といったように減額されてしまうかもしれません。

こうなってしまっては、せっかくの成長のチャンスを逃してしまうことにもなりかねないので、創業期に実績を作って、次に借入がしやすいような関係を作っておくのが大切です。

まとめ

いかがだったでしょうか。
今回は、創業融資とは?というテーマについて紹介させて頂きました。

創業期は、実績がなくても借りられる最大のチャンスです。
「自分には自己資金があるから・・」という人でも、手元のキャッシュを厚くするためにも、金融機関との関係性を作るうえでも、借りておくことをお勧めします。

「そんなことをしたら無駄に利息がかかる」と思うかもしれませんが、創業融資の金利は比較的低めですし、成長の為のコストだと思えば安いものです。

特に、自治体の制度融資を利用すれば、金融コストもほとんどかかりません。
(東京都にお住まいの方でしたら、区の制度融資を利用すればかなり割安で調達もできます。)

そのため、創業期のチャンスにぜひ創業融資を活用してみてください。
ぜひ参考になれば幸いです。

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